2020年度事例紹介No.1
2020年度に課題提示型社会実証支援で立ち上がった
プロジェクトの紹介です。
AIによる最適な防犯パトロール
実証実験企業
株式会社Singular Perturbations
プロジェクト概要
株式会社Singular Perturbations(シンギュラー・パータベーションズ)の開発する、犯罪予測AIにより最適な防犯パトロール経路を策定できるモバイルアプリ「Patrol Community」を用いて、中川区常磐学区、荒子学区の防犯ボランティアの方々が実際にパトロールを行いました。
Patrol Communityはパトロールする距離と必ず回りたい地点をいくつか選択すると、過去の犯罪情報をもとに自動的に最適なパトロール経路を作成します。
従来のパトロール経路はこれまでの犯罪発生状況や気になるポイントなどをもとに、ボランティアの方々が自ら作成されていましたが、このアプリを活用することで、簡単により防犯効果の高い経路でパトロールを行うことができます。
実際に防犯ボランティアの方々にアプリを使用していただくにあたり、まず学区ごとに説明会を開催しました。説明会では、アプリのインストールや経路作成方法を説明しました。
防犯ボランティアのような自主防犯組織が、このような防犯予測AIを活用してパトロールを行うのは世界でも類を見ない取り組みで、筑波大学と共同した調査研究も行われています。
経路を各自で作成してみたあとで、実際にパトロールで使用しました。パトロールではリーダーの方が代表してアプリで作成した経路を確認しながら先導しました。使用された感想としては、「思ったよりも簡単に使えた」「普段は通らないような経路を提案してくれた」「自動で経路作成をしてくれて便利」など前向きな感想が聞かれました。
一方、改善点についてのコメントも数多くいただき、それらを活かしてより使いやすいアプリになるよう今後修正していきます。
初回の実証実験は徒歩でのパトロールでしたが、今後は青色防犯パトロール(通称青パト)用車両でのパトロールにおいてもアプリが使用される予定です。
【NEWS】
2020/11/26 読売新聞にて実証実験の様子が紹介されました。
2020/12/2 朝日新聞にて実証実験の様子が紹介されました。
名古屋市は庁内から集めた行政課題、社会課題に対して先進技術を活用した解決策を企業から広く募集し、剪定した実証プロジェクトに対する費用の一部負担や専門家によるマネジメント等の支援を実施しています。