コロナ禍でも臨場感あふれる農業体験を!ウィーケンと協働でオンライン体験講座の実証開始!

本レポートは、課題提示型支援事業の1つ、行政課題「学校・おうちでできる新しい農業体験でdelaふぁーむをもっと知ってもらいたい!」の実証レポートです。

農業センター「delaふぁーむ」と株式会社ウィーケンは、今年度のHatch Technology NAGOYA課題提示型支援事業の実証プロジェクトの一環として、1月10日(祝・月)にオンライン農業体験イベント「360度カメラで牛の目線を体感&牧場直伝のバター作り」を開催しました。

農業センターは、名古屋市の農業振興を図るため、昭和40年4月1日に開設され、農業技術の普及・指導を行ってきました。今では名古屋市の都市化に伴い、農業に親しむ機会の少なくなった市民に、農業に親しみながら、ゆったりと憩うことのできる施設として利用されています。

しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症蔓延により、リアルでのイベントを開催できず、いくつかの講座も中止を余儀なくされました。(昨年度は、実施を予定していた講座246件のうち、41件しか開催できませんでした。詳しくは、課題を御覧ください。)このような状況においても、より多くの市民が農業体験等に参加できる機会を提供するため、農業と先進技術を結び付けた新たな啓発手段を確立するための試みを進めています。

今年度は、先進技術を活用した新たなオンライン農業体験講座を企画・実施し、「リアルでの開催と同じ程度に農業体験の価値を提供できるか」や「運営面での課題はあるか」等の検証を行います。

今回の実証のポイント

名古屋市に本社を置く株式会社ウィーケンは、日本のオンライン体験教室のトップランナーであり、コロナ禍において210種類以上のオンラインコンテンツを制作してきた実績があります。この3ヶ月間、農業センターとウィーケンでオンライン体験講座の企画・実施について検証を行ってきました。

初回となる今回のイベントは、年中から小学校6年生までを対象に参加者を募集し、最終的に20組の親子にご参加いただきました。イベントではオンラインで農業センターと各家庭を繋ぎ、画面越しに牛の生態を学び、その後全員でバターづくり体験を行いました。

前半の牛の生態を学ぶパートは、360度カメラを活用した動画を用いて、牛の視野(330度あると言われています。)を疑似体験しながら、牛の出産や子牛がミルクを飲む様子を視聴した後、カメラを片手に持った農業センターのスタッフが、放牧場で牛の様子をリアルタイムに中継しながら参加者からの質問に答えるなど、相互のやり取りを加えて臨場感を感じてもらえるような工夫を凝らしました。その甲斐あってか、次から次へと参加者から質問が飛び交い、大変好評を博しました。

(360度カメラで撮影した牛が食事をする様子)

(牛を撮影しながら参加者の質問に答える農業センターのスタッフ)

(牛が散歩する姿を背景に、バター作りを解説する農業センターのスタッフ)

後半のバター作りのパートは、放牧場からバター作りの様子を中継する構成です。バター作りを解説する農業センターのスタッフの後方で、牛が「もぉぉぉぉぉ」と鳴くなど、臨場感あふれる内容となりました。

本イベントはデジタル技術を活用した講座ですが、脂肪球が凝集する様子を表す職員手作りの教材も活用しながら、バターができる過程を解説するなど、デジタルとアナログを併用することで、参加者の理解をより深め、満足度を高めることに繋げました。

参加者からのアンケート結果でも満足度の高さが伺え、

「牛さんの視界が広いことに驚いた。牛さんがのんびりと過ごしている様子が、自然だなぁと思った。牛さんの輪っかとかの質問と答えが聞けてよかった。」

「楽しかったです!いつも当たり前に食べているバターを作るのにとても大変だということを体験できてよかったです。デラファームにもまた足を運んでみたいと思います。ありがとうございました!」

と言った声が多数寄せられました。

次回は2月に「[焼き鳥セットが自宅に届く]名古屋コーチンで焼き鳥作り体験」を実施し、アンケートの結果なども踏まえながら、より充実した講座を提供できるよう課題の洗い出し等を行っていきます。

農業センターでは今後も先進技術を活用した講座を提供することで、市民の農業に対する理解を深める機会を増大させ、農業センターへの来訪者を増やしていきます。


企業募集時の課題