スリル満点!地下50メートルの上下水道工事現場にXR動画を使って見学に行く

本レポートは、課題提示型支援事業の1つ、新型コロナウィルス関連課題「XR技術を活用してコロナ禍でも臨場感あふれる上下水道工事地元見学会を実施したい!」の実証レポートです。

ヘルメットもかぶらずに地下50メートルの工事現場を見学に行く――。

そんな風に聞けば「危なくないの?」と心配になりますが、1月11日(火)に名古屋市西区の那古野コミュニティセンターに集まった皆さんは、やすやすと約15分の現場見学を終えることが出来ました。もちろん、それには理由があります。

名古屋市上下水道局と株式会社スピードは、今年度のHatch Technology NAGOYAの実証として、1月11日(火)に「コォジィ君と行く工事現場XR見学」を開催しました。上下水道工事への理解を深める目的で毎年行っていた地元見学会がコロナ禍により実施出来なくなったため、XR(クロス・リアリティ)技術(注※)を使って、工事現場に足を運ぶことなく、現場の様子を疑似的に体験してもらおうという新しい試みです。

(工事現場の様子、キャラクターは案内役のコォジィ君)

XR見学に参加していただいたのは工事現場の近く(西区明道町付近)にお住いの地元代表者6名。参加者はヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)と呼ばれるスキーのゴーグルのような機器を装着し、工事現場の映像を視聴します。この時、見たい方向に首の向きを変えると、それに合わせて映し出される映像の向きも変わるため、あたかも現地で周囲を見回しているような感覚になります。

(VR見学会でHMDを準備している様子)

XRコンテンツを制作した株式会社スピード(本社:瀬戸市)は、ゲーム・アニメなどの映像制作からライブ・イベントの企画・演出まで幅広く手掛けるクリエイティブカンパニーです。今回の制作にあたっては「XRの世界では<じっくりと周りを見る余裕>があることが大切なので、説明と説明の間にはしっかりと時間を取るように注意した」(岩木勇一郎 代表取締役)とのこと。有名アーティストのライブ演出から教育用のコンテンツ制作まで、豊富な経験に培われたノウハウが生きています。

【工事場所】明道町雨水幹線下水道築造工事(西区明道町交差点付近)
地下50メートルの工事現場に機材を持ち込み、安全にも配慮した上で動画撮影
(左:360度カメラ設置状況、右:トンネル内撮影状況)

実際に工事現場に来ていただく見学会であればヘルメットをかぶったり足元が悪かったりするので、お子さんやご高齢の方の案内には細心の注意が必要です。しかし、この日は雨も降っていましたが、参加者は安全なあたたかい部屋で椅子に座り、ゴーグルを装着してXRの世界に向かいます。

(おそるおそるHMDをつけてみると…)

動画が始まるときょろきょろとあたりを見渡すような動きに。工事用エレベーターに乗って地下へと降りていく場面では、足元に広がる穴の深さに思わず「こわい…」と声を漏らす方も。現地で実際に真下を見るのはかなり勇気がいるので、高いところが苦手の方にはお勧めできませんが、XRなら臨場感たっぷりのスリルを体験してもらえます。

上下水道局では、今回の実証に関するアンケート結果などから新しい技術を使った工事見学会の効果を検証したいと考えています。なお、今回制作したXR映像はスマートフォン、タブレットでもご覧いただけます。詳しくは下記のサイトにアクセスしてご利用ください。

「コォジィ君と行く工事現場XR見学」ウェブサイト
・視聴終了後、WEB 上でのアンケートにご協力をお願いします。
【PCのアクセス先】
https://speedinc-jp.com/kozyekun
【スマートフォン、タブレットのアクセス先】
(右の二次元コードからサイトにアクセス)
(XRコンテンツの再生にはYouTubeアプリが必要)

注※ XR(クロス・リアリティ)技術:現実にはそこにないものをまるでそこにあるかのように見せるVR(仮想現実)技術や、現実には存在していないものをまるで存在するかのように見せるAR(拡張現実)技術など、ITによる様々な映像表現を組み合


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