2021年PJ報告No6.
市民意見をオンラインワークショップで集めて構造化・見える化する合意形成支援技術を試す合意形成プロジェクト
実証事業者 名古屋工業大学
フィールド提供者 総務局企画課主催「未来デザインチーム」
本プロジェクトでは、実社会で役立つ合意形成支援技術の確立を目指し、反復的な合意形成プロセスに基づく自動ファシリテーション手法・議論構造化手法の検討を行います。
総務局企画課との取り組みでは、名古屋市の次期総合計画の策定に向けて、これまで難しかったデータ・ファクトを踏まえた建設的な市民参画・行政コミュニケーションを可能にする為に、合意形成支援技術を用いたオンラインワークショップを実践しました。
検証したいこと
議論構造化などの技術(セマンティックオーサリング+Miro)を用いたファシリテーションが、合意形成プロセスを効果的に支援できるか、また議論に参加しなかった市民でも議論内容が容易に理解できるかを検証していきたいです。
セマンティックオーサリングとは、文章や議論の意味的な構造を人間にも機械にも扱いやすい形にし、将来的には人間とAIの協働により議論や情報を整理することを目指した技術です。
Miroはオンラインのホワイトボードツールになります。
実証実験内容
実施するオンラインワークショップは、総務局企画課主催で名古屋市職員及び民間企業の職員が参加する研修「未来デザインチーム」の全5回中4回目に、参加者21名5グループを対象に2050年頃の名古屋市のあるべき姿を展望し、あるべき姿に向けた施策の立案を想定して以下の流れで議論を進めます。
理想像の洗い出し→現状分析→ギャップ分析
それぞれの工程で事前に想定していた、議論を支援するための適切な問いを投げかけて新たな議論の視点を追加します。
結果として、議論構造化の為に用意した段階的なファシリテーション質問は、一部のグループのアイデア具体化には寄与したが時間設定が短かったり、議論やアイデア具体化の経験が乏しい参加者には効果が薄いことが判明しました。
今後は背景知識の提供や、発言量の可視化技術の併用することで議論の支援ができるかを実証していきたいです。