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レポート

【課題提示型】来園者属性からサービス向上と新たな誘客へ

【実証実験レポート】

12月から1月にかけて東山動植物園において、「東山動植物園の来園者数年間350万人」を目指し、より効果的で効率的な広報や施設の整備計画検討の基礎データとなる来園者の属性情報を把握できる仕組みを構築するための社会実証を行いました。

この社会実証では、NECソリューションイノベーター株式会社がもつ人物像分析システム「Field Analyst」を活用し、東山動物園の二つの入場門(北園門、正門)と北園門駐車場において、より精度の高い来園者の属性情報(性別や年齢層、グループ属性、車両ナンバーの地域、滞在時間)を入手することができるか検証しました。

「Field Analyst」はカメラ画像から自動で人物や顔を検出し、年齢や性別などを推定する画像認識技術を活用したシステムです。そして、「車両ナンバー認識パッケージ」は画像から車両ナンバー等を検出し、検出した日時とともに記録するシステムです。カメラ画像からの物体検出は比較的安定していましたが、屋外環境下(天気や明度の条件が一定ではない)の撮影であったため、検出した画像を分析することが容易ではありませんでした。

北園門での来園者属性把握の様子
北園門での車両ナンバーの検出を行っている様子

最も苦労したのが、カメラを設置する角度と被写体との距離の最適化でした。

【1回目の実証】

顔を撮影するためには、水平から15度の角度が推奨されています。1回目の実証では、来園者の動線を考えたうえで、入園門の庇部分にカメラを設置しました。しかしながら、来園者はチケットを係員に提示しようと手元を見てしまうため、来園者の顔を推奨される角度から撮影することができませんでした。

【2回目の実証】

来園者の動線に支障はありますが、2回目の実証では、的確な角度で撮影できる場所にポールを立ててカメラを設置し画像を撮影することにしました。この方法により、検出率が約2倍に上昇しました。ただし、入園門とカメラとの距離が長くなることで、新たな課題が発生しました。すでに検出済みの来園者がカメラの前を再度横切ることもあり、来園者数を複数回検出してしまうためカメラの位置と動線について再度調整する必要がありました。また、時間帯や天気による明度の差、マスクを着用しているなどの理由により、カメラ画像から安定して検出することに課題が残りました。

今後は、より精度の高い来場者属性情報を取得する方法を検討していくとともに、取得できたデータがどのようにマーケティングに活用できるのかについても検討を進めていきます。


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