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レポート

【実証実験レポート】AI・IoT等のテクノロジーを活用し、ウィズコロナ・アフターコロナの新たな社会を創出!~PCR検査鼻咽頭スワブ採取トレーニングシステムの開発について~

Hatch Technology NAGOYA課題提示型社会実証支援事業の中でも、特に関心を集めた「ウィズコロナ・アフターコロナ」のテーマ。選定された、名古屋大学発のベンチャー企業であるメドリッジ株式会社による社会実証について紹介します。

メドリッジ株式会社は、2019年に経⿐内視鏡⼿術訓練システムとして、人間の頭部を3Dで再現した生体の解剖学的構造にセンサを搭載したバイオニックヒューマノイド「バイオニック ブレインシリーズ」を開発しています。脳外科手術手技を見える化することで、内視鏡手術の技術の向上を目指してきました。

 本実証では、これらの技術を応用し、新型コロナウイルスをはじめとするウイルス感染症の検査における鼻咽頭の検体採取を、患者への負荷を最小限で実施するためのトレーニングシステムを作製しました。

鼻咽頭スワブ採取トレーニングシステム外観
鼻咽頭スワブ採取トレーニング用3Dモデルと、センサの出力例

今回の社会実証では、次世代手術訓練用モデル(バイオニックブレイン)をベースに、鼻咽頭部分の3Dモデルを作製し、熟練者がどのようにスワブ(綿棒)を使って検体採取を行っているかについて、上咽頭に微小力センサを搭載することで、術者の手技を数値化・見える化することに成功しました。

実証の過程において、名古屋大学医学部附属病院の協力により、実際に複数の医師や看護師らによるテストを通じて、手技データの収集やトレーニングの有効性を検証しました。

藤原医学部付属病院教授からは、「最大のいいところはセンサが入っているので正しく接触しているかどうかがわかるということと、音の大きさで接触の強弱が示されるのでわかりやすい。初めて検体を採取する先生は、このシステムで練習してから検体を採取すると非常に有効ではないかと思う。」とコメントされています。

↑名古屋大学医学部附属病院におけるトレーニングの有効性の検証を実施する様子

2月22日に、メドリッジ代表取締役の益田さんによる製品説明と実際の機器を使用したスワブ採取トレーニングを健康福祉局職員が体験しました。関係者からは、「今は唾液検査の精度が上がっているが、唾液が出せないような寝たきりの方や負傷者などには、引き続き 鼻咽頭検査が有効である​。」といった意見が聞かれました。

メドリッジ社は、今後、感染症のPCR検体採取を実施する医療機関や看護学校への導入をはじめ、海外展開も視野に入れており、名古屋市としても継続的な支援を行っていきます。

↑市職員への意見聴取の様子
↑市職員の体験の様子

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