東山動植物園・農業センターの駐車場データを解析して、来園者・地域・行政みんなの悩みを解決!

要点

解決したい課題

東山動植物園・農業センターの大規模イベント時に、来場者の駐車場入庫待ちによる渋滞を解消したい。


想定する実証実験

1:駐車場利用実態の詳細を把握
2:利用実態のデータ活用と情報発信による空き駐車場への誘導など、アクセス利便性の向上
3:大規模イベント時に近隣で発生する交通渋滞の緩和

実現したい未来

誰もがストレスなくアクセスでき、地域に愛される東山動植物園・農業センター

提案企業が得られるもの

他の公共施設のみならず、民間施設への水平展開の可能性も見込まれます。


ストーリー

東山動植物園・農業センターの駐車場データを解析して、
来園者・地域・行政みんなの悩みを解決!



東山動植物園周辺航空写真

駐車場が○○カ所もある?!

イケメンゴリラ・シャバーニで有名な東山動植物園。敷地面積はおよそ60ha、動物園、植物園、遊園地に展望塔東山スカイタワーが隣接し、年間250万人が訪れる広大な施設です。
この東山動植物園に駐車場がどれくらいあると思いますか?実は11カ所もあります。こんなにたくさんあるのです。
しかし、開園前から駐車場には入庫待ちの列ができ、開園と同時に人気の駐車場からあっという間に満車になっていきます。そうなると、お客さんはどこへ向かっていいか分からなくなってしまいます。
現在は、11カ所の駐車場の空・やや混・混・満車の4段階の情報をウェブサイトで公開していますが、より効率的、ストレスのないご案内ができないかが課題となっています。



東山動植物園駐車場マップ


ウェブサイトで公開している満空情報

年間来園者の4割が1ヶ月に集中する農業センター

もうひとつ、今回対象としたい施設があります。それが、名古屋市天白区にある農業センターdelaファームです。ここは、野菜と畜産をテーマにした「農業公園」で、センターの名物のひとつに、全国有数規模を誇るしだれ梅園があります。
満開を迎える2月下旬~3月中旬には、毎年「しだれ梅まつり」を開催し、年間60万人訪れる来園者のうち約4割にあたる、25万人ものお客様がこの期間に集中して来られます。



農業センターdelaファームの混雑の様子

最寄り駅から徒歩20分かかるため車で来る方が多く、また6カ所(約350台)の駐車場すべてが正門付近にあるため、待機車両がどうしても集中し、この時期だけは正門前からこのような渋滞が発生してしまいます。最長で約2km、2時間ほど並んでしまうこともあります。



農業センターdelaファームの渋滞の様子

しかし、通常時駐車場は無料で、この「しだれ梅まつり」の時期以外は台数に十分余裕があるため、新たな駐車場の整備(増設)に投資することはできません。

誰も並びたくて並んでいる訳ではない

ところでみなさんは、テーマパークや新しくオープンした商業施設などの駐車場で、「2時間待ち」や「満車・第○駐車場へ」などの看板を警備員が掲げているのを見かけことがありますよね。
そんな時、「2時間?案外もっと早く入れるんじゃないの?」「他の駐車場に回るよりここに並んだ方が実はてっとり早んじゃないの?」と思って、つい並んだというような経験はありませんか?
そんな車列の最後尾で、実は近隣の住民の方が自宅に帰るため何時間も並んでいる・・・なんてことには、なかなか想像が及ぶものではありません。
こういった問題は、東山動植物園・農業センターでも同じです。農業センター「しだれ梅まつり」、東山動植物園では「ナイトZOO」などの人気イベント時には、公共交通機関利用の推奨や、警備員による誘導を行っていますが、どうしても渋滞を解消できず、近隣住民の道路通行には支障が出てしまいます。

それぞれのジレンマ・悩み

行政としては、
・たくさんのお客さんに来ていただきたい。
・しかし、駐車場利用状況の詳細な情報がなく、最適なご案内の仕方が分からない。

来園者は、
・せっかくだから早く入園したい。
・しかし、「満車だから、混んでいるから、もうすぐ満車だから他へ…」と言われても腑に落ちず、つい並んでしまう。

「みんなの悩み」をまとめて解決

そこで
1:データ収集…駐車場が、どの時間帯に、どんなサイクルで利用されているか把握する
2:データ活用…情報発信などにより効率よく駐車場を利用していただく
3:渋滞の解消…公共交通機関等の利用を促進し、交通渋滞を解消する

この3つのステップによって、来園者・近隣住民・行政、それぞれ「みんなの悩み」をまとめて解決できるような実証実験の提案を募集します。

具体的な手法は問いません。

たとえば「①データの把握」は、駐車場に機器を取り付けたり、GPSを活用したり、「②データの活用」については、アプリやWEB、SNSによる情報発信が想定されます。「③渋滞解消」については、AIによる渋滞予測の見える化や、近隣の民間駐車場の空き情報・予約システムとの連携、などが想定されますが、あくまで想定。
これらの想定を超える取り組みを、ぜひご提案ください!

■関連リンク
東山動植物園
http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/
農業センターdelaファーム
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/19-8-4-2-2-0-0-0-0-0.html


募集要項

背景
<東山動植物園> 土休日やイベント時(ナイトZOOなど)に、多くの来園者があるが、駐車場が点在していることから案内が難しく、一部の駐車場に入庫待ちの渋滞が発生している。 正門付近以外の駐車場は空きある場合もあり、ウェブサイトで満車から空車までの4段階の情報を配信しているが、より効率的でストレスのない案内が求められている。
<農業センター> 毎年2月下旬〜3月中旬に開催されてる「しだれ梅まつり」の際には、25万人が来場するが、駐車場の数も限られ、また正門付近に駐車場が集中していることから、最長2kmの渋滞が発生している。 住宅地の中に施設があるため、近隣住民にも不便な状況となっており、渋滞の解消が急務である。
課題
「どうすればいいか分からないので何となく並んでしまう車両」によって発生している各施設の正門付近等に集中する交通渋滞の解消
<東山動植物園>
点在する11カ所(約1,600台)の駐車場について、時間帯ごとなど詳細な利用状況を運営側も来園者も把握できていない。各駐車場のゲートにセンサー(リース機器)があり、その記録はデータとしては残らない。

<農業センター>
通常時、駐車場は無料・無人でゲート等はなく、催事期間のみ係員が料金を徴収している。臨時駐車場を含め6カ所(約350台)がすべて正門付近にあるため、待機車両による渋滞がひどく、近隣住民の交通に支障をきたすことがあるが、催事期間以外は台数に十分な余裕があるため、駐車場の増設に投資はできない。
求める解決策
1:計測機器の設置、GPSの活用などを活用し、時間帯ごとの入出庫台数(=空き状況)や、駐車時間数、利用者の居住地など、基礎的なデータの収集
2:収集したデータをもとに、アプリ、WEBやSNSによる情報発信などを通して、来園者のアクセス利便性向上(待たずに入園できる仕掛けづくり)
3:渋滞予測の見える化、公共交通や民間駐車場との連携による交通の分散化など 以上を想定しているが、基本的に手法は問わない。また、部分的に施設ごとに異なるアプローチを提案することも可能とする。
実証実験成功後の発展性
施設周辺の交通渋滞は民間施設も含めた普遍的な課題であるため、水平展開の可能性が見込まれる。
想定する実証実験内容
可能な限り、両施設とも全ての駐車場を対象としたい。東山動植物園の繁忙期となる10~11月にまずデータ収集の実証を行い、以後、データの活用や情報発信等についての検討・設計を進め、2~3月の農業センターでのイベント時に最終検証を行いたい。
提案企業に求める専門性
駐車場の空き状況や予測データなどをどういう形で市民に「伝える」かがカギとなるため、高いデザイン能力やPR性も含めた企画力を求めたい。
プロジェクトの進め方・打合せ方法
現地視察に一度来てほしい。打合せはオンラインも可。東山動植物園・農業センターそれぞれの窓口となる職員の出勤する曜日が異なるため、共通の連絡はメールを中心にお願いしたい。
提供可能なデータ・環境等
・日ごとの入園者数、駐車台数
・駐車場ごとに機器等設置の条件は異なるが、極力対応する
・東山動植物園はゲート機器からの満空情報の配信サービスあり(リース機器で記録の取得はできません。)
※東山動植物園と農業センターでは提供できるものが異なります。
プログラム終了後の本格導入
両施設とも、コストに見合うものであれば実装費用の予算化を検討する(令和4年度予算以降)。

応募終了させていただきました