実施者
(1)実証事業者 株式会社サイバーエージェント
(2)市担当部署 スポーツ市民局広聴課
課題の背景
この地域では、南海トラフ巨大地震の発生が危惧されており、発災時には、多くの市民からの電話での問い合わせが想定されますが、大規模災害時には通常のコールセンターを稼働できないことが予想され、災害時用コールセンターが立ち上がるまでの間(発災後から2週間程度)は、市に全ての問合せが集中することとなります。
しかしながら、多くの職員が災害対応に追われる中、十分な人員を確保して応対することは非常に困難と考えられます。
検証内容
今回の社会実証では、AI電話自動応対サービスを使用した大規模災害時用自動音声応答システムを活用することで、以下の内容が実現できるか検証しました。
・大規模災害時用自動音声応答システムが大規模災害発生時の市民からの電話による問い合わせの応対手法となり得るか。
・本システムの活用により、市民サービスの向上と職員の負担軽減につながるか。
今回使用するサービス
サイバーエージェントが、 AI Shiftと共同開発した、自治体向けのAI電話自動応対サービス「AI電話エージェント」を使用しました。
従来の自動音声応答システムとは異なり、AIによる音声対話形式での電話自動応対が可能となり、営業時間や接続回線の制限がないため、24時間いつでも待ち時間のないスムーズな対応が可能です。
本サービスにより、「市民サービスの品質向上」と「電話応対業務の効率化・コスト削減」、「業務の見える化」を実現します。
今回の社会実証のポイント
地域住民向け実証の結果
1月に2回、2月に1回、地域住民向けの実証を行いました。各会場10名ほどの市民の皆様に集まっていただき、今回のAI電話システムを体験していただきました。
今回のシステムは、自由に発話してもらい案内を返すという仕組みでしたが、市民の方が不慣れなこともあり、聞き取りの開始前に話し始めてしまい、目的の回答を得られない場面も見られました。また、事前に想定していない内容については、全く違う案内をしてしまう場面もありました。
市民のみなさんからは、「取り組みとしてはいいと思うので、良いものにしていって欲しい」といった激励もいただきました。
AI電話システムには、AIの認識精度の向上や、市民の方に慣れてもらうこと、実際の災害時の
情報更新の手法等様々な課題があり、実用化にはまだまだ時間が必要ですが、災害時の市民の電話
に適切に応対できるような仕組みについて今後も検討していきます。