【実証レポート】U30と行政の距離を縮める広報~新たなコミュニケーション手法を実証したい!

実施者

(1)実証事業者 株式会社スタメン
(2)市担当部署 市長室広報課

課題の背景と検証ポイント

名古屋市広報課では、市民を取り巻くメディア環境の変化に合わせて、市公式ウェブサイトの充実化やSNSの活用に力を入れてきました。しかしながら、既存の広報手段では、若年層に対して十分な情報が届いておらず、効果的な打開策もないのが大きな課題となっています。   
そこで、今回の社会実証では、新たなコミュニケーション手段の試みとして、U30世代を対象にしたインターネット上のコミュニティであるオンラインサロンを開設し、以下の内容を検証します。

市の広報媒体例
特命広報官募集のウェブサイト

検証ポイント

・ オンラインサロンが、U30世代と行政との距離が縮められるような新たなコミュニケーション手法として有効か。
・オンラインサロン参加者のアイデアや発信内容が、U30世代への広報として補完的な役割を果たすことができるか。

社会実証で使用したソリューション「FANTS(ファンツ)」

FANTSは、オンライン上でコミュニティ運営をするためのプラットフォームです。複雑な設定や準備は不要で、オンラインサロンやファンクラブなどのコミュニティ運営に必要なシステムを提供しています。いわゆるSNSのようなイベント告知や掲示板の機能に加え、コミュニティ内での共同プロジェクトの運営を支援するような機能や、ログイン率・コンテンツ投稿数・いいね数など、管理者がコミュニティ内の状態把握をするためのダッシュボード機能も備えています。

FANTSの画面

実証プロジェクトの経緯

アップサイクルチームのミーティングのようす
救急救命講習チームのミーティングの様子

アイデア発表会の様子

 3月4日スタメン名古屋本社オフィスにてアイデア発表会を開催しました。特命広報官6名が、アップサイクルと救急救命講習それぞれのテーマに分かれて、同世代へのアンケートなどを元に、U30世代に刺さる広報施策を考えてきました。

 アップサイクルのチームは、アップサイクルメニューや商品を随所に使った「アップサイクルレストラン」の提案を、救急救命講習のチームは、Instagramのリールを使った広報施策の提案を行いました。

名古屋市特命広報官 Instagramアカウント

1.5万回再生を達成した胸骨圧迫のプロアマ対決動画

 市役所の担当者からは、「期待通り同世代ならではの発想により、素晴らしい提案をいただいた。」と絶賛の声があがり、「取り入れられるものは取り入れたいと考えている。」ということで引き続き検討することになりました。

 今回参加してくれた特命広報官の方々からも、「今回の機会で普段関わることのない人たちと出会うことが出来ましたし、少しでも広報に貢献できたのは嬉しかった。可能な範囲で継続して活動していきたい。」と前向きな感想を頂きました。

 一方で、オンラインサロンという仕組みはうまく活用しきれなかった課題もあることから、コミュニケーションのツールや手法は改めて検討を進めていきます。

発表のようす
発表のようす

(了)