【実証レポート】「青果物流通の標準化」を見据え、効率のよい場内物流モデルを作成したい!

実施者

(1) 実証事業者 佐川急便株式会社
・実証協力事業者 SGシステム株式会社
・実証協力事業者 パナソニック コネクト株式会社
・実証協力事業者 日本ガイシ株式会社
(2) 市担当部署 経済局 中央卸売市場 本場業務課

プロジェクトの概要

 名古屋市中央卸売市場本場は、全国から生鮮食料品を集荷し、適正な価格を付け、新鮮なうちに小売店やスーパーなどに運び消費者に日々安定して届ける役割を担っています。しかし、特に青果棟周辺において、トラック待機場所の不足、荷降ろし場所・荷積み場所の不足が積年の課題となっています。

 今回の社会実証では、限られた敷地・建物の制約条件下、市場内物流の生産性・効率性を向上させるため、まずは現状を把握・共有する目的で、AIカメラとトラッカーを活用し以下の内容を検証しました。

今回の社会実証のポイント

実証で活用したソリューション

(1)青果棟外で使用するAIカメラ(SGシステム株式会社、パナソニック コネクト株式会社

 AIカメラを市場の出入口に設置して映像データと車番データを照合、各時間帯・出入口別の入退場車両、車両の滞在時間などを可視化しました。

AIカメラを用いて映像データと車番データを照合、通知するシステム(提供:パナソニック コネクト株式会社)

(2)青果棟内で使用する屋内外位置トラッカー(日本ガイシ株式会社)

 センサー(位置情報、温湿度、加速度)を搭載した電池交換・充電が不要な屋内外位置トラッカーをフォークリフト、作業者、商品に取り付け、位置情報・作業状況を可視化しました。

実証の成果

(1)青果棟外で使用するAIカメラ(SGシステム株式会社、パナソニック コネクト株式会社

 中央卸売市場本場の青果棟に入る、正門と北門にカメラを設置し、入退場する車のナンバーと車種を取得し、滞在時間などの分析を行いました。

 計測の結果、小型貨物車両の入場が多いことや2時間以上滞在する車が多いことなどが分かってきました。

(2)青果棟内で使用する屋内外位置トラッカー(日本ガイシ株式会社)

 フォークリフトに設置して市場内でどのような動きをしているか計測を行いました。

 作業員の方の胸についているのがトラッカーで、フォークリフトに設置しているのは同じ機能を持つ検証用の端末です。

 このトラッカーについている太陽電池のパネルは、室内の弱い光でも充電できる先進技術であり、交換なしで長時間トラッキングできるようになっています。

 今回は台数も期間も限られた中での実証となったため、市場の一部の人やフォークリフトに設置して計測を行いましたが、どのように往来しているのかを可視化することができました。下図はそのイメージです。

 今回AIカメラとトラッカーにより、場内物流の可視化が一歩進みました。今回取得したデータをさらに分析するとともに、市場関係者とも共有しながら、市場内物流の生産性・効率性を向上させる施策を検討していきます。

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