メタバースと生成 AI を活用した効果的な広報施策の検討~名古屋駅西側駅前広場の未来の姿をイメージしたメタバース空間の開発~【課題提示型プレスリリース】

 Hatch Technology NAGOYA 課題提示型支援事業の実証について、2月5日にプレスリリースを発出しましたので、お知らせします。

 課題提示型支援事業では、LiDARセンサーとAIを活用してエスカレーター上の歩行者を的確に検知し、注意喚起を行うシステムの開発を行っています。これにより、エスカレーター上での歩行や片側をあける慣習をなくしていくことができるかを、地下鉄伏見駅で実証しています。なお、本発表は名古屋市エスカレーター安全利用促進キャンペーンと連動して実施しています。2月5日に、メディア向けに実証の様子をご見学いただく機会を設けます。

1.プロジェクトの概要

 名古屋市では、リニア中央新幹線の東京~名古屋間開業に備え、名古屋駅周辺をスーパーターミナル化するプロジェクトが進行中です。2026年のアジア・アジアパラ競技大会開催時も見据えながら、リニア開業時の来訪者を温かく迎えるため、名古屋駅西側駅前広場の再整備事業を行っています。

 本事業の広報については、シンポジウムの開催やX等のSNSへの投稿で情報発信を行っており、広報について一定の効果があったと考えていますが、より幅広く、この事業について知っていただくため、より効果的な広報手段がないかを検討しています。

 今回の実証では、将来の整備イメージを分かりやすく伝えるために、西側駅前広場の将来像を再現したメタバース空間に、生成AIで制作したコンテンツを順次追加しながら、効果的な広報施策について検討していきます。

https://taziku.co.jp/mnns/

2.実施者

(1)実証事業者 株式会社タジク

(2)市担当部署 住宅都市局 名駅ターミナル整備室   

3.今回の社会実証のポイント

4.実証で活用する技術の概要・例示

 株式会社タジク/taziku(タジク)は、東京・名古屋を拠点に活動するクリエイティブスタジオで、AI・生成AI・大規模言語モデル(LLM)などの最先端技術を活用し、既存のクリエイティブワークだけでは無く、今までに世の中にはなかった、表現・体験を創造する企業です。

メタバース制作について

 近年メタバースと呼ばれる3Dの仮想空間は、独自に制作しようとすると高額な開発費用と長期の開発期間を要するものです。

 今回使用した「Spatial」は、アメリカのスタートアップ企業が運営するメタバースプラットフォームで、スマートフォンやPCで閲覧可能で、あらかじめ多数の空間やアバターが用意されており、メタバースの構築をスピーディに実現できます。さらに、名古屋市が計画段階で用意していたCGを活用することで、制作から約2ヶ月という短い期間で公開に至っています。

生成AIについて

生成AIにもいろいろな種類がありますが、今回主に使用しているのは「Stable Diffusion」や「Midjourney」と呼ばれる画像生成AIです。既存の画像やイラストに対して、プロンプトと呼ばれる生成AIへの指示を出すことで、様々な改変、加工が可能です。

(例1)画像・キャラクターのイラスト生成

 名古屋市が制作した名古屋駅西側駅前広場のイメージパースに対して、生成AIにより質感を加えたり、名古屋市のキャラクター「かなえっち」をイラスト化して配置することで、市民の期待感を醸成するようなプロモーション利用に適したコンテンツに生まれ変わったことが見て取れます。

(例2)写真を生成AIでカラー化

 昔の名古屋駅周辺のモノクロ画像をAIによって着色しています。

5.実証事業者について

株式会社タジク
代表取締役社長 田中 義弘
設立 2021年03月
本店所在地 名古屋市東区
URL https://taziku.co.jp/