生物多様性ポテンシャルを評価しビオトープづくりを支援する実証【成果報告】

実証事業者 サンリット・シードリングス株式会社

市担当部署 環境局 なごや生物多様性センター

Hatch Technology NAGOYA 課題提示型支援事業の実証について、実証の成果をまとめた記事になります。

1.プロジェクトの背景・課題

 近年、生物多様性保全に関する機運が高まっており、本市のような都市部において多様性保全を実現するには、限られた土地を有効活用して生物の生息に適した環境(ビオトープなど)を創出していくことが重要である。

2.社会実証の内容

①オープンソースのデータと独自の知見を組み合わせ、30m四方から名古屋市全域まで、生物多様性ポテンシャルを可視化した。今回は、希少な両生類の生息適地を示すマップを作成した。

②水中の微生物などを環境DNAで分析し、見えない生物情報もポテンシャルマップに反映した。

③ポテンシャルが高いと判定された場所で、保全活動団体と連携し、ビオトープづくりを実践した。

3.検証結果・効果

検証結果① ポテンシャルの可視化

【生息地ポテンシャルマップ】

  • 累積流量・森林分布・森林安定度などの複数のレイヤを含む
  • レイヤを組み合わせることで、両生類生息適地のような特定の生物の生息ポテンシャルを可視化
  • 環境DNAにより見えない生物多様性を可視化・地図上で表示

これまで見過ごされていた、わずか1m程度の水たまりが、希少生物の生息地として重要であることが判明。

検証結果② 生態系を復活させられるか

検証結果③ 市民活動の活性化

保全団体との意見交換会でマップを共有したところ、活動場所の選定等に役立つと好評だった。

4.実証で見えた課題

①ポテンシャルマップの充実

環境DNAの分析箇所の増加等により、マップの精度を高め、対応可能な生物種をさらに増やす。

②生態系復活のための取り組みの効果測定

本事業で整備したビオトープにおける希少種の産卵・生息状況を把握するため、継続的なモニタリングする。

③情報提供の仕組みづくり

市民や企業など、利用者の属性や目的にあわせた情報の提供方法や、活用促進のためのパッケージ化の検討を行う。

5.今後の展望

 「都心の生きもの復活事業」「可視化マップ」などの、既存の取り組みとの連携・補完により、市民や企業を巻き込んだ生物多様性の保全・回復のための取り組みを推進する。

6.実証事業者について

サンリット・シードリングス株式会社

代表取締役 石川奏太

設立 令和2年1月15日

本店所在地 京都市左京区吉田上阿達町7番地 Lab Tech 3F

https://www.sunlitseedlings.com/

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