Hatch Technology NAGOYA

課題提示型事業
課題詳細

地中の水道管・ガス管異常を“即発見”!当たり前の学校生活を守りたい!

締切日
【募集終了】

要点

解決したい課題
学校施設の地下や壁の中に張り巡らされた水道管・ガス管は、老朽化や劣化の進行が目に見えず、損傷の早期発見が難しい。漏水や浸水等の事故のリスクがあり、こうした“見えないインフラ”の異常を、迅速かつ確実に発見できる技術と体制の確立が急務となっている。
想定する実証実験
本実証実験では、学校施設の地下や壁に埋設された水道管・ガス管を対象に、最新の先進技術や手法を用いて、損傷や劣化の状態を短時間かつ高精度に把握できるかを検証する。また、従来の点検方法と比較して、調査にかかる日数やコスト、作業負担の削減効果についても定量的に確認し、現場の業務改善や今後のインフラ管理手法のモデルケースとなるかを試す。
実現したい未来
先進技術による迅速な点検・修繕体制を確立し、水道管やガス管をはじめとする学校インフラ全体の安心・安全な稼働を実現したい。これにより、冷暖房などの空調設備や、給食調理など学校生活に欠かせない機能が常に安定して提供できる環境を目指す。
得られるもの
新技術の実証機会と評価/名古屋市との連携実績/他自治体や全国の教育機関への事業展開の可能性

ストーリー

子どもたちの笑顔のために、見えないインフラを守る

子どもたちが安心して学び、毎日を過ごすためには、目には見えない多くのインフラの支えがあります。その中でも特に水道管は、日々の給水や衛生環境を守る、学校生活の基盤となる存在です。しかし、これらの水道管は地中に埋設されており、老朽化や劣化が外からは見えにくいことから、漏水や浸水事故が突然発生し、学校現場に大きな影響を及ぼすリスクを抱えています。

突然の日常の停止、その背景にあるもの

もしも水道管が破損すれば、給水が止まるだけでなく、トイレの利用停止や清掃活動の中断、さらには給食調理の停止など、学校全体の活動が一気にストップします。大規模な漏水となれば、被害の復旧にも多くの時間とコストがかかります。

全国でも、今年みなさんもニュースで見られたであろう埼玉県八潮市での陥没事故や、大阪市城東区などでも水道管破損による重大な事故が相次ぎ、名古屋市の学校現場でも、同じリスクと常に向き合っています。

また、実はガス管も同じく老朽化が進んでおり、空調や給食調理など学校生活の快適さや安心を支える重要なインフラです。水道管とともに、ガス管の確実な管理と早期発見も今後ますます重要になっています。

いま、見えない危機に挑む理由

これまでの点検方法では、地中の水道管の状態を十分に把握することが難しく、異常が発覚するのはトラブルが起きてからでした。そんな現場の課題を、先進技術の力で変えていきたいと考えています。大規模な掘削や長時間の点検に頼らず、効率的かつ効果的に水道管やガス管の異常を早期発見し、迅速な応急対応につなげることが、子どもたちの安心な学びの場を守るために欠かせません。

未来へつなぐ、新しいインフラ管理モデル

私たちは、この課題を解決するために、企業の皆様が持つ先進的な技術やアイデアの力を必要としています。今回のプロジェクトでは、「地中に埋設された水道管やガス管の劣化状況や破損リスクを、地面を大規模に掘り起こすことなく把握できるような非破壊検査技術」の実証実験を行いたいと考えています。

この実証実験では、従来の点検方法と比較して、どれだけコストを削減し、時間を短縮できるか、そして何よりも、どれだけ正確に問題箇所を特定できるかをしっかり検証します。この挑戦は、未来の学校インフラ保全に向けた、確かな第一歩となるはずです。

企業の皆さまへ

本プロジェクトは、単なる技術実証にとどまらず、学校という公共性の高い現場で、貴社の技術力やアイデアを生かして社会課題の解決に直接貢献できる貴重なチャンスです。従来手法では対応しきれなかった“見えないインフラ”の課題に、あなたの技術と情熱で新しい解決策をもたらしませんか?

ここでの実証は、今後の全国展開や事業拡大への大きな一歩にもなります。私たちとともに、子どもたちの笑顔のために、未来の安心・安全な学校現場を創っていきましょう。

募集要項

背景
学校施設やその周辺に埋設されている水道管やガス管は、老朽化や劣化が進行しても外部からは見えず、損傷の早期発見や予防が難しいインフラです。
近年も、埼玉県八潮市で下水道管の破損による道路陥没事故(2025年1月)、大阪市城東区で水道管の破損・漏水による浸水事故(2025年5月)など、全国的にインフラの老朽化が重大な事故や被害を招く事例が相次いでいます。
水道管の漏水や陥没事故は社会的な課題として注目されており、またガス管の異常は空調設備の停止や給食調理など、学校の日常生活や教育活動そのものに影響を与えることもあります。名古屋市の学校現場でも、こうした“見えないインフラ”の維持管理は現場職員にとって大きな悩みの種となっています。
課題 (詳細)
本プロジェクトが対象とする課題は、主に「学校施設の地下に埋設された水道管・ガス管の維持管理」に関するものです。これらの管路は老朽化や劣化が進行しても外部からはほとんど兆候が見えず、目視点検も困難なため、異常の早期発見が遅れがちです。その結果、漏水やガス供給の停止といった突発的なトラブルが発生し、空調の停止や給食調理不能など、児童生徒の日常生活や教育活動に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

実際、全国的にもインフラ老朽化による事故が相次いでおり、名古屋市の学校現場でも同様のリスクが存在します。現状では事故発生後の事後対応が中心となっているため、迅速な異常発見・応急対応を可能とする技術の現場実装が求められています。
求める解決策
学校施設の地下に埋設された水道管やガス管の劣化状況や損傷リスクを、大規模な掘削工事を行うことなく、効率的かつ効果的に把握できる新しいアプローチを求めます。突発的な事故を未然に防止(予防)し、現場での迅速な応急修繕につなげられるような技術や手法を期待しています。
また、地下だけでなく、壁や床・天井内部など“見えないインフラ”の点検技術への発展性や応用可能性があれば、なお良いと考えています。(必須ではありません)
従来の点検方法では対応しきれない課題に対して、先進的なアイデアや技術の導入を通じて、学校現場の実態に即した効果的なソリューションを共創できることを期待しています。
想定する実証実験内容 (詳細)
本実証実験では、提案される先進的な技術や手法を用いて、実際の小中学校の敷地内、もしくはその周辺に埋設されている水道管の状態を把握することを試みます。
具体的には、「地中の水道管がどの程度劣化しているのか」あるいは「破損の兆候が見られるのか」を、一定の精度で確認できるかどうかの検証を行います。

また、従来行われている点検方法と比較し、コスト面や作業に要する日数において、どの程度の効率化が見込めるのかを定量的に評価します。この検証を通じて、新たな点検手法の実用性と有効性を明らかにすることを目指します。
実証実験成功後の発展性
本実証実験で提案された点検技術や手法の有効性が確認された場合、将来的には名古屋市内の他の学校施設や、さらに全国の自治体・教育機関における同様の課題解決への応用が期待されます。また、水道管やガス管のみならず、壁や床・天井内部といった他の“見えないインフラ”の管理・点検への技術転用や、予防保全・日常点検体制への発展も見据えています。
本事業を通じて得られた知見やノウハウが、学校インフラ全体の維持管理の高度化や、持続可能なインフラ管理モデルの確立に寄与することを目指します。
プロジェクトの進め方打合せ方法
本プロジェクトは、週1回程度のオンラインミーティングを基本に進め、必要に応じて対面打合せや現場視察も行います。柔軟かつ円滑な連絡体制で、企業と行政・現場が協力しながら進めたいです。
提供可能な データ・環境等
実証実験は市内の学校施設で実施を予定しており、必要に応じて候補となる学校を提示します。学校施設の基礎データや既存の設備図面など、実証に必要な情報も提供可能です。
また、現場見学や関係部署・団体との調整など、実証に必要なフィールド環境や連携もサポートします。
プログラム終了後の本格導入
実証実験を通じて提案技術や解決策の有効性が確認でき、学校現場の課題解決に資するものであると判断した場合は、本格導入に向けて検討を進めます。導入に際しては、予算化や他校への展開も視野に入れ、持続可能なインフラ管理体制の確立を目指します。