道路境界査定の現状
皆さんは、測量をご存知でしょうか?
町の道路で、黄色い箱を立てて測量している様子を見たことはあるかと思います。あれは、土地の面積や境界線を割り出すために行っているものです。
このときに活用するのが今回の主役「公共基準点」です。現在市内には、4万点の基準点を設置しています。
私たち測量調査課は、この基準点を管理している部署です。
名古屋市において、測量する多くのケースは「道路境界査定」と呼ばれるものです。市民がお持ちの土地(民地)と行政が持つ道路との境界がどこなのかを決定するのに必要な業務です。現在名古屋市では道路境界確認の際に、基準点や過去の立会記録などたくさんの資料に基づいて実測し、そのデータを精査して境界線を決定しています。
また、基準点は、民地の面積を測る際にも使われています。基準点は、民間の方も自由に使用してよい公共財なのです。
測量には、使用する基準点の選択に専門的な知識が必要となるのですが、実は測量する人(土地家屋調査士や測量士)によって考え方が異なることから測量結果にばらつきが生じています。名古屋市では非常に多くの基準点を設置しているため、使用する基準点の選択を誤って偏った測り方をしてしまうと、誤差が大きくなってしまいます。
測量方法の精査は職員頼み?
こうしたばらつきを極力少なくするために、測量方法や使用する基準点などを精査するのも私たち職員の役割です。
近接する場所の測量データなどを元に判断するのですが、紙やPDF、Excelで管理しているデータを照合して確認・精査する業務に多くの時間を要しています。
また、市は情報をもっているものの公開はされていないため、土地家屋調査士など測量する方は、事前に確認することもできません。
過去の測量データを共有し最適化したい
これらの問題を解決するために、これまで蓄積してきた測量データから最適な基準点や観測ルートを分析し、最適な測量方法を提示したり測量データを共有する仕組みを作ることにより、測量結果のばらつきを最小限にすることができないかと考えています。
ただ、先述の通り、紙やPDF、Excelで管理しているデータをどう整理し、参照させるのがよいのか頭を悩ませています。また、過去の測量データがない場合にも、使用を推奨する基準点を出したり、評価できる仕組みを構築したいと考えています。
データも公共財として活用してほしい
私たちは、基準点という設置物を活用いただくだけでなく、測量データもオープンに活用できるようにするべきだと考えています。これからはデータ・情報も公共財として活用していくべきなのです。
測量したい地点の基準点からの最適な測量方法がわかり、誰もが同じ精度で測量できる未来を一緒に作りませんか?
皆様のご応募をお待ちしています。