要点
- 解決したい課題
- 市内において違法で危険な盛土等が発生していないかを効率的に監視したい。
- 想定する実証実験
- AIを活用した衛星画像の解析などにより、違法で危険な盛土等が発生している可能性のある地点の把握を効率的に行えるか検証する。
- 実現したい未来
- 事前に、違法で危険な盛土等が発生している可能性のある地点を把握することにより、監視業務を効率的に行うことができる。
- 得られるもの
- 違法で危険な盛土等への対応は全国的に進められているため、様々な自治体での事業展開が期待できる。
みなさん、静岡県熱海市で発生した土石流災害を覚えていますでしょうか?
令和3年7月に静岡県熱海市において発生し、大きな被害をもたらした土石流災害等を契機として、盛土等による災害から人々の生命・身体を守るため、従来の「宅地造成等規制法」(以下、旧法)が「宅地造成及び特定盛土等規制法」(以下、盛土規制法)に改正され、宅地、農地、森林等の土地の用途にかかわらず、危険な盛土・切土・土石の堆積(以下、盛土等)を全国一律の基準で包括的に規制することになりました。
盛土規制法では、従来の規制区域の考え方や規制内容等が改正され、大幅な規制強化となっています。
【規制区域の考え方】
【規制の対象となる要件】
本市はこれまで、市域の約3割を旧法の規制区域として指定し、一定規模以上の造成工事に対する許可審査業務を行ってきました。
本市では令和7年5月頃に盛土規制法での運用を開始する予定であり、あわせて規制区域を全市域に拡大することとしております。
【本市の規制区域案】
静岡県熱海市で発生したような土石流災害などといった盛土等の災害を防ぐため、盛土規制法では違法で危険な盛土等に対し、行政は躊躇なく指導・取り締まりをしていくこととされております。
本市ではこれまで、年間約300件程度の許可事務を行うとともに、市民からの通報等より把握された危険な盛土等に対し行政指導を行っておりますが、盛土規制法運用後においては、規制区域の拡大や規制内容の追加等により、業務量の大幅な増加が予想されます。
そういった状況において、今後違法で危険な盛土等が発生していないか日常的に監視していく必要がありますが、限られた人員の中で日常的に市内全域のパトロール等を行うことは大変厳しいこと考えております。
【不法・危険盛土等発見時の行政対応フロー】
そこで、先進技術を活用し、迅速かつ効率的に違法で危険な盛土等を把握できるようにしたいと考えています。
具体的には、衛星データ等をAIにより解析を行い、市内において違法で危険な盛土等が発生している可能性のある地点を抽出するとともに、工事中の盛土や土石の堆積なのか、土捨て行為なのか等を判別・整理することを想定しています。これにより、違法で危険な盛土等が発生している疑いのある地点やエリアを事前に机上で把握することができ、より効率的なパトロール等が可能になると考えております。
本市における違法で危険な盛土等を早期に発見するため、皆様のお力を貸していただきたいです。
ぜひ私たちと一緒に、危険な盛土等から市民の安全を守りましょう!