「自己搬入」って何?
みなさんは粗大ごみの捨て方に困った経験はありますか?
名古屋市では、粗大ごみを月1回地域ごとに収集日を設定して収集していますが、収集日とごみの捨てるタイミングが合わずに処分方法に困る方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、名古屋市には自己搬入の制度があります。自己搬入とは、市民が各区にある環境事業所での受付後にごみ処理施設へ行き、ごみを処分する制度であり、土日を除く平日の受付時間内であればいつでも利用できます。この制度を利用すれば、粗大ごみに限らず、可燃ごみ・不燃ごみも処分することができます。
しかし、近年では自己搬入の制度を利用する方が増加しており、特にゴールデンウィークやお盆、年末年始を中心にごみ処理施設が混雑する状況が発生するようになっています。特に、不燃・粗大ごみの処理施設は、港区にある大江破砕工場1カ所しかないため、混雑時には最大で2~3時間程度の待ち時間が発生しています。
そこで、本市の計画では令和9年1月末に大江破砕工場を休止し、新たに南陽工場を稼働させる予定であるため、南陽工場稼働に合わせて新しい自己搬入の仕組みを導入したいと考えています。南陽工場は可燃ごみと不燃・粗大ごみを両方処理できる施設であり、可燃ごみを自己搬入する車両も受け入れる予定です。現行の仕組みのままでは、今以上の混雑が発生する見込みであり、自己搬入の仕組みを変える必要性は非常に高いと考えています。
「自己搬入」の課題は?
自己搬入によってごみ処理施設が混雑する原因は、主に3つあると考えています。
1つめは、搬入車両を制限する仕組みがない、という点です。受付を行う環境事業所では、ごみ処理施設の混雑状況に関わらず、申請の都度承認を出しているため、搬入先のごみ処理施設がパンクしてしまう状況が発生してしまいます。市民が事前にネットで予約を行い、予約の際に、例えば「30分に20車まで」といった条件を設け、搬入車両数を制限することで、この原因を解消したいと考えています。
また、ネット予約を行い環境事業所での受付を無くすことで、市民にとって利便性が大きく向上すると見込まれます。ただし、自己搬入はごみの排出者自身が運搬・処分する制度であるため、事前予約制にする場合、しっかりと本人確認を行い、不適正な搬入を防ぐ仕組みを構築する必要があります。
2つめは、ごみの荷下ろしに時間がかかる、という点です。ごみ処理施設にごみを搬入する場合、荷下ろしはごみの排出者自身が行うこととなっているため、大量のごみを搬入される方にとっては荷下ろしにかなりの時間を要することとなります。予約制にする場合は、これまで環境事業所で受付時に実施していたごみの確認を工場での搬入時に行う必要があるため、さらに多くの時間がかかることが予想されます。
ごみの荷下ろしと確認を効率的に行うためには、事前予約時に搬入するごみを申告してもらい、写真等でごみを識別して申告内容と相違が無いか確認するなど、工場へ搬入される前に確認できる仕組みが必要だと考えています。写真の場合、映っていない場所に搬入禁止物を隠して搬入される可能性もあるため、写真以外の手法も含めて、幅広い視点で解決策をご提案いただきたいです。
3つめは、料金の徴収に時間がかかる、という点です。自己搬入では、ごみの重量によって10kgあたり200円の処理手数料を徴収しています。車でごみを積んだ状態で計量機に乗り、ごみを降ろした後に再度計量器に乗ってごみの重さを計り、支払窓口にお越しいただいて現金で処理手数料をお支払いいただくことになっています。そのため、混雑回避のためにも、支払いのキャッシュレス化等で、料金徴収事務がスピードアップできるようにする必要があると考えています。
3つの課題を解消するためには、「事前予約開始」→「搬入物確認」→「承認」→「搬入」→「料金徴収」の手順を一元化できるようなシステムが必要だと考えています。これまでも事前予約制の導入は検討してきましたが、事前予約をしたうえで環境事業所での受付を実施する手順を検討していたため、市民の利便性の観点から実現に至りませんでした。今回の事業によって、環境事業所での受付を無くした上で、課題をクリアできるような先進的な仕組みを取り入れ、市民の方がよりスマートに自己搬入をすることができるようにしたいと考えています。
「自己搬入」の今後の展望は?
先述の3つの課題を解消できるようなシステムを構築することができた場合、実証実験としてまずは本市職員が実験的に新システムを利用して自己搬入を実施する予定です。実験の結果、問題が無ければ、市民を対象に試行実施期間を設けてテストを行いたいと考えています。試行実施をしていただいた市民に対しては、アンケートも実施できると良いと考えています。
試行実施の結果を踏まえ、問題が無ければ令和9年の南陽工場稼働に向けて新システム導入のための準備を進めます。南陽工場は令和9年1月からごみの受入を開始する予定であるため、本格稼働の前に、令和8年夏頃までには新しい自己搬入のシステムを固めたいと考えています。なお、実証実験の際も同様ですが、現在本市で搬入車両の計量データをとりまとめるシステム(計量管理システム)を管理している民間業者とも連携して進める必要があります。
自己搬入は、コロナ禍を経て在宅で家の片付けをされる方が増加したことによって、近年、件数は増加傾向にあります。南陽工場の稼働も控え、自己搬入の仕組みは改革の岐路に立っています。 私たちと一緒に、より快適でスマートに利用できる自己搬入の仕組みを実現するために、ご応募をお待ちしています。