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トイレの混雑予測でポートメッセなごやの満足度UPを目指したい|ビーコンの設置と検証を行いました【活動報告】

名古屋市国際展示場(以下、ポートメッセなごや)は、名古屋市が設置した国際展示場であり、産業貿易の振興や国際経済交流の促進、市民福祉の向上を目的とした施設です。MICE推進課では、ポートメッセなごやを名古屋市の産業・文化交流の要となる施設にするため、ハードとソフトの両面から施設整備を進めています。

その中で、大規模催事開催時のトイレや飲食店の混雑が大きな課題となっていました。特にコンサート開催時には特定のトイレに利用が集中し、他のトイレが十分に活用されていない状況が発生しています。

この課題解決に向け、東海テレビ放送株式会社(名古屋市東区)と株式会社アドインテ(京都府京都市)が協力。高機能ビーコン「AIBeacon」を活用し、混雑状況の把握と、デジタルサイネージやLINEプッシュ通知を通じた情報提供を行う実証実験をスタートさせました。AIBeaconは、Wi-Fi利用可能な状態のスマートフォンを自動検知できるため、検知数から混雑状況をリアルタイムで分析することが可能です。(個人情報は取得されません。)

▲あおなみ線車内や金城ふ頭エリアにポスターを掲示し来場者へ周知
▲混雑状況を知らせるウェブサイト

今回の活動では、ポートメッセなごやがある金城ふ頭エリア全体に13台のAIBeacon端末を設置し、トイレ付近の混雑状況を計測しました。混雑を判定する対象範囲をビーコンからの距離5m以内に設定し、実際の状況との比較を行ったところ、ウェブサイト上に表示される混雑情報と現場の状況にズレが生じていることが判明。トイレ周辺を通行する人々もカウントされてしまい、実際の混雑状況とは異なる計測結果となるケースが発生しているようでした。

そのため、混雑判定の設定範囲を5m、3m、1mと段階的に絞った結果、1mに設定した際に現場の状況と最も合致することが確認できました。

今後は、今回得られたデータをもとにさらなる精度向上を図り、混雑状況周知によって来場者が快適に施設を利用できる環境づくりを進めていきます。