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データで自転車通行空間の効果と課題を可視化│交通インフラの専門家・長大が自転車の利用実態把握に取り組んでいます【活動報告】

名古屋市では、安全で使いやすい自転車通行空間の整備を進めています。しかし、整備した道路が実際にどのように使われているのか、自転車利用者が増えたのかを客観的に把握する方法が課題となっていました。そこで、株式会社長大とチャリチャリ株式会社が連携し、名古屋市とともに実証実験に取り組んでいます。

株式会社長大は、交通インフラの調査・設計から維持管理まで手がける総合建設コンサルタント。ビッグデータを活用し、交通課題の解決を支援する専門家です。このプロジェクトには、長大の國井さんと伊藤さんが参加しています。

國井さんは、自動車交通のコンサルタントとして20年の経験を持ち、近年はまちづくりにも関わっています。現在は社会人ドクターとしてライドシェアや公共交通の研究にも取り組んでいるそうです。昨年、自ら企画したシェアサイクルの勉強会を通じてチャリチャリと出会い、GPSデータの活用について意見を交わしたことがきっかけで、今回のプロジェクトに参加しました。

伊藤さんは、道路交通のコンサルタントとして9年間活動。普段は道路交通課題の解消に向け、道路管理者と一緒に調査・分析、対策検討などを担当しています。並行して社会人ドクターとして学び、2024年3月に名古屋市内の大学院で博士後期課程を修了しました。

大学院では自転車通行空間の研究に取り組んできましたが、コロナ禍で十分な現地調査ができなかったこともあり、GPSデータを活用した分析には以前から関心を持っていたといいます。今回のプロジェクトでは、シェアサイクル利用データを活用し、自転車の走行特性や利用傾向を分析する役割を担っています。

実証実験を通じて、これまでの調査手法では見えなかった名古屋市の自転車利用の実態が少しずつ明らかになってきました。引き続き、データの活用を進めながら、安全で快適な自転車環境の実現を目指していきます。