
中部電力パワーグリッド社(以下、中電PG)とグループ会社である中部精機株式会社による、ドローンを活用した廃棄物の運搬実証実験が、2024年12月22日に、名古屋市港区の名古屋港に面し、廃棄物リサイクル事業を行う株式会社アビヅの工場敷地内にて行われました。この実証で目指すのは、車両等の2次元での運搬からドローンを活用した3次元の運搬により、これまで不可能だった運搬ルートを開拓し運搬の可能性を拡げます。
<背景>
名古屋市内で廃棄物のドローンを用いた運搬は初の試みです。また、運搬用ドローンを屋内で飛行させることもGPS情報を取得できないことから行われていません。今回の実証では、まずは問題なく廃棄物を運搬できるかを確認しました。
<活用する技術>
使用するドローンは、中電PGが管理する送電用の鉄塔点検に用いているものよりも格段に大きく、40kgまでの物品を運搬できるDJI社の機体です。この機体は、他社の運搬用ドローンと比べ、積載可能重量は小さいですが、代わりに機体そのものの重量も抑えられており、飛行時の姿勢制御のしやすさを獲得した機体です。一般的に軽量な方が、制御が簡単です。確かに、そばで見ていると飛行時はほとんどブレなどが起きているようには見えず、安定した飛行をしているように感じました。

<実証の様子>
実際に実証を開始してみると、屋内でも問題なく動作し、4種類の重さと形状の異なる廃棄物を問題なく工場内の2階まで運び、指定の場所へ着陸させることができました。
ドローンの迫力とその実力はその場にいた誰しもが感動しましたし、廃棄物運搬における新たな可能性を感じる実証となりました。