
名古屋市科学館では近年、外国人来館者が増加しています。しかし言語の壁により、展示内容や実験ショーの魅力が十分に伝わらず、科学館の使命である「近代科学の知識の普及啓発」が十分に果たせていないのが現状です。この課題を解決するため、生成AI事業を展開する株式会社Algomatic(東京都港区)と連携し、展示やサイエンスショーの多言語対応に取り組んでいます。
今回の活動では、名古屋市観光文化交流局国際交流課の職員が協力し、AI同時翻訳のデモを体験。職員は自身のスマートフォンを使用してリアルタイム翻訳を試しながら、サイエンスショーを観覧しました。

観覧後のヒアリングでは、「不正確な翻訳がところどころにみられるものの、ショー全体の理解の助けにはなりうるかなと感じた」といったポジティブな意見が寄せられました。一方で、固有名詞の翻訳にばらつきが見られることや、翻訳のタイムラグによってショーの盛り上がりに追いつけない場面があることも課題として挙がりました。

これらの結果を踏まえ、今後は翻訳精度のさらなる向上を目指すとともに、多くの方々が利用しやすいシステムの開発に注力していきます。