
名古屋市科学館では、増加する外国人来館者数に対し、展示や実演の多言語対応が課題となっています。言語の壁により、展示内容や実験ショーの魅力が十分に伝わらず、科学館の使命である「近代科学の知識の普及啓発」が十分に果たせていないのが現状です。
科学館が目指すのは、どの国籍や言語のお客様にも平等な科学体験を提供し、国内外からより多くの人々を迎えられる施設になること。
この課題に共感したのが、生成AIを活用した事業を展開する「株式会社Algomatic(東京都港区)」。同社のAI翻訳技術は、直訳を超え、動画や入力情報のコンテキストを考慮した自然な翻訳が可能である点が特長です。

今回取り組んだのは、展示品の多言語解説動画の制作です。科学館職員が展示品の使い方やねらいを解説する動画を20本ほど制作しました。日本語に加え、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語の4言語に対応しています。
これらの動画は、展示品の近くに設置された二次元コードをスマートフォンでスキャンするだけでYouTubeで視聴可能。体験方法が複雑な展示品も、動画を通じて誰でも簡単に楽しめるようになります。


▲公開中のYouTubeより
こちらの実証実験は既に科学館内での運用が始まっています。また今回、動画制作以外にも「サイエンスショーのリアルタイム翻訳」「通訳アプリの利用促進」といった施策も並行して進めています。
名古屋市科学館はこの取り組みを通じて、より多くの人に科学の魅力を伝えられる施設へと進化していきます。ぜひご期待ください。