Hatch Technology NAGOYA

「やりたい」と「できる」を生成AIで繋ぐ!協働マッチング支援システムの社会実証 | 公開実証を行いました【活動報告】 

1月29日に「AIが開く共創コミュニティの扉~あなたのやりたいことを、誰かの「できる」とつなぐ~」と題して公開実証を行いました。 

参加者の人数が多いワークショップなどで新たな協働を検討する場合、誰がどんなリソースやスキルを持っているのか、どのような協働や共創の可能性があり得るかをすべて把握するのは簡単ではありません。また、発想や想像力の限界により、新たな協働や共創の可能性に気付きにくいということもあります。 

名古屋工業大学の白松研究室では、生成AIを使った議論の論点可視化技術や、ナレッジグラフを用いた課題と解決方法のマッチング技術など、コラボレーション支援に関する研究を進めています。人同士の議論を整理するだけでなく、AIの意見を取り入れることで、より効果的な協働の実現を目指しています。 

名古屋工業大学と一緒にプロジェクトに取り組んでいるハイラブル株式会社のたまご型レコーダーは、「いつ」「誰が」「どれくらい」話したかといった非言語な会話パターンに着目した音響情報の定量分析が可能で、「音環境分析」と「議論分析」という2つのコア技術によって実現されています。また、たくさんの人が会話している雑音の大きい環境でも、特定の会話だけを抽出することができます。 

これらの技術を掛け合わせた実証実験を7月に開催された「Hatch Meets UP!」におけるワークショップで実施しました(詳細はコチラ(https://www.hatch-tech-nagoya.jp/news/post-4234/)) が、今回はさらに生成AIを活用した2種類のマッチング支援システムで公開実証を行いました。 

1つ目は、新たな事業アイデアや社会課題に対して「誰とどんなことができそうか」を提案する対話システムです。2つ目は、グループ対話の音声認識結果からリアルタイムにマッチングの可能性を可視化するシステムです。 

公開実証には、Hatch Meets関係者に加え、大学・民間企業・行政など多様な参加者が集まりました。まちづくりや外国人支援など、それぞれの課題について、2つのシステムのサポートを受けながら話し合いました。 

公開実証の参加者からは、「生成AIのコメントにより新しい視点を得られ、課題や取り組みの方向性が深まって面白かった」という声や、「もっと尖った発想のフィードバックがあるとなお良い」といった意見が寄せられました。 

白松教授は「皆様からのフィードバックを通じて、新たな技術的検証の方向性が見えた」と述べ、実践的な知見を得る機会になったとともに、今後のシステム改善に生かしていく考えを示しました。 

この実証を通じてマッチング可能性や提案内容の質を向上させ、協働・共創を促進するAIの社会実装を今後も目指していきます。 

システム画面①:新たな事業アイデアや社会課題に対して「誰とどんなことができるか」を提案する対話型システム 

システム画面②:グループ対話の音声認識結果をリアルタイムで分析し、マッチングの可能性を可視化するシステム

なお、この白松研究室の技術はNEDO (JPNP20006) の支援を受けて開発されました。