コミュニティでの向社会的行動に関する仮説検証とEBPM支援技術への応用可能性の検討
- フィールド提供者
- 名古屋市スポーツ市民局地域振興部地域振興課

1. プロジェクト概要
本プロジェクトでは、地域コミュニティにおける向社会的行動(他者や社会のためになる行動)を促進する要因を科学的に解明し、効果的な地域政策立案に活かすことを目指します。名古屋市内の3つのモデル地区を対象に、大規模なアンケート調査や分析を実施し、地域コミュニティの活性化につながる知見を得ることを目指しています。
2. プロジェクトの目的
地域コミュニティの活性化は、現代社会における重要な課題の一つとなっています。本プロジェクトでは、人々の向社会的な行動に着目し、それを促進する要因を科学的に明らかにすることを目指しています。特に、複数レベル淘汰や正の同類性といった理論的枠組みに基づき、コミュニティ活動を活性化させる要因を特定します。
さらに、得られたデータを活用して、根拠に基づく政策立案(EBPM)を支援する新しい仕組みの構築を目指しています。大規模言語モデルを活用して地域特性を分析し、より効果的な施策の立案を支援することで、持続可能な地域づくりに貢献することを目的としています。
3. 実証プロジェクト詳細
本プロジェクトは2024年9月から開始され、初年度は2025年2月までを第1フェーズとして実施します。まず、3つのモデル地区において、各学区500人規模、合計1,500人を対象とした大規模なアンケート調査を実施します。この調査では、地域活動への参加状況や意識、コミュニティの特性などを総合的に把握します。
収集されたデータは、統計的手法を用いて詳細に分析されます。特に、向社会的行動と統計的に有意な相関を持つ要因を特定し、それらの要因がどのように相互に作用しているかを明らかにします。また、大規模言語モデルを活用して地域特性を分析し、その結果を分かりやすいレポートとしてまとめることで、政策立案者の意思決定を支援します。
2025年度以降は、第1フェーズで得られた知見を基に、社会シミュレーションの開発や、より広範な地域での実証実験を計画しています。これらの取り組みを通じて、科学的根拠に基づく地域政策の立案と実施を支援する新しい手法の確立を目指します。