
盛土に関する規制強化を受け、名古屋市でも令和7年5月に新たな規制の運用を開始する予定です。全市域が規制の対象となるため、危険な盛土の監視業務の効率化が急務となっています。そのため名古屋市では、衛星データ解析やAIモデル開発の実績を持つ株式会社Solafune(沖縄県沖縄市)と連携して、AI技術を活用した「危険な盛土発見システム」の開発検証を進めています。
<今回のプロジェクトの特徴その1>
今回のプロジェクトの特徴として、主な対象地域を「市街地」にした点が挙げられます。盛土規制法の対象が、市街地を対象とする場合が多いことが多く、市街地に存在している盛土は、山間部などに存在している盛土よりも危険なことが多いためです。また、市街地は農地や森林に比べて建物や公園、道路など様々な土地の利用形態があります。高いビルや密集した建物など画像撮影における障害物も多く、その解析は少々複雑です。そういった特徴を持つ市街地での盛土検出を可能にするため、Solafuneと名古屋市、Hatch事務局が協議を重ねながらシステムの改善に取り組んでいます。

<今回のプロジェクトの特徴その2>
また、本プロジェクトでは、「光学画像」での盛土検出を目指しています。これまでの山間地での盛土検出では、主にSAR(レーダー)画像を使った地形分析が行われてきました。しかし今回、市街地での盛土検出にも対応するために複数の衛星データを検討した結果、Solafuneの技術と親和性が高く解析効率の最大化が期待できるため、光学画像が最適であるという判断に至りました。光学画像での盛土検出は、全国的にも事例が少ない挑戦となっています。
AI技術×衛星画像(光学画像)を活用することで、違法で危険な盛土を迅速かつ効率的に検出できる未来に向け、早期の実現を目指して、引き続き取り組みを進めていきます。