交通事故のない社会を目指して
本市では、交通事故のない社会を目指して交通安全対策に取り組んでいます。交通安全教室や教育の実施、交通事故危険箇所や通学路の交通安全対策を進めるなど、ソフト・ハードの両面から取組みを進めています。
私たち道路維持課は、その名の通り道路の維持管理を行っている部署で、主にハード面での対策を行っています。具体的には、市内各区に設置した土木事務所とともに、安全に道路を利用できるよう、舗装やガードレールやカーブミラーなどの附属物、車の通行区分を明示する区画線や通学路などの路面標示の設置や維持管理を行っています。
最近ではさらなる交通事故件数の削減に向けて、区画線の横の破線(エスコートマーク)の設置や路肩・交差点のカラー舗装、注意喚起の路面標示などの設置を行っています。
道路パトロールの現状
こうして設置している区画線や路面標示ですが、当然時間が経過すると表示が薄くなったり消えてしまったりします。土木事務所では、毎月、区内の道路を全てパトロールし、道路状況を把握する努力を行っているのですが、目視での確認を行っていることや、管理する道路施設が路面標示以外にもガードレールなど多岐に渡ることから、見落としてしまっていることもあるかもしれません。
区画線の重要度が高まっている
近年では、先進安全自動車(ASV)の推進や普及により、道路の区画線などを判別しレーンキープアシストや車線逸脱防止を行うようになったことで、区画線をはじめとする 路面標示の重要性がますます高まっています。
こうしたことから、今後さらに路面標示の維持修繕を強化していきたいと考えています。劣化状況を効率的に把握し、交通量の多い道路など主要な道路などから優先度を付けながら効果的に修繕を行っていくことが、交通事故の削減につながると考えているからです。
先進技術を活用した劣化状況の把握
今回の実証では、はじめの一歩として区画線や路面標示等に焦点を当て、市内の設置箇所、種類、延長などと合わせて劣化状況を把握したいと考えています。
例えば、パトロール車両に車載カメラを搭載し、人の目では見落としてしまったり、把握しきれなかったりする情報をカメラ画像とAIによる画像解析技術を活用して補完することで、効率的な道路パトロールを目指していきたいと考えています。
また、今後は、過去の修繕記録などを組み合わせて劣化予測を行うなど、今後の維持修繕計画の策定にも活かすことや、同一の映像・画像を利用して、区画線以外の道路施設(防護柵、カーブミラーなど)の台帳整備や点検の効率化も見据えているため、こちらも合わせて技術検証ができると大変ありがたいです。
実証実験後の更なる展開
今回の実証では、いくつかの区を対象に実施する想定です。この実証でうまくいけば、市内16区に展開し、全市の状況把握に活かしたいと考えています。また、継続して点検を続けることでより精度の高い維持管理ツールになると考えています。
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