電子チケットを活用した混雑解消と生成AI等を活用した施策検討の実証【成果報告】

実証事業者 アソビュー株式会社

市担当部署 緑政土木局 東山公園管理課

Hatch Technology NAGOYA 課題提示型支援事業の実証について、実証の成果をまとめた記事になります。

1.プロジェクトの背景・課題

背景

  • 東山動植物園の年間来園者数は、全国の動物園でトップクラスで、多客日(GW)の来園者は1日に3万人を超える。
  • 入園券は6か所の入園門にある券売所で販売しているほか、一部コンビニでも販売している。
順位令和4年度
名 称入園者数
恩賜上野動物園(東京)306万人
東山動植物園(名古屋)238万人
天王寺動物公園(大阪)140万人

課題

  • 多客日は券売所でチケットを購入するために20分ほど並ぶこともある。
  • 様々な施設でチケットレス入園を実施しているが、当園は未だに紙のチケットのみを販売している。
  • 来園者の利便性を向上させるためには、券売所前の行列緩和が必要。

2.社会実証の内容

①入場券の電子化と入場効率の向上

 アソビュー社の電子チケットシステムを導入し、入園ゲートでQRコードを読み取ることで入園できる仕組みを構築。

②電子チケットに誘導する仕掛けづくりにより窓口混雑の解消

 公式ホームページでの告知、現地での看板設置、電子チケット専用レーンの設置等、利用率向上に向けた取り組みを実施。

③購買データの取得/可視化により、データを活用した施設改善施策の立案

 来園者属性や周辺レジャー施設の利用状況等のデータ収集、AIを活用した分析にも着手。

3.検証結果・効果

(1)発券所列解消

  • 有料チケット購入者の20%(最大32%)が電子チケットを利用。
  • 発券所の待ち時間が15分から6分に短縮。来園者数が1.4万人から2.4万人に増加しても効力を発揮。

(2)利用者アンケートと口コミの両方とも、想定以上の回答数が得られた。

 電子チケット導入により、1,300件以上の来園者アンケート、1,600件以上の口コミデータを収集。

(3)AI(ChatGPT)を活用したデータの分析

 チャットGPTを活用し、口コミデータから改善点の抽出、施設改善策の立案等を効率的に実施。

 投入した口コミコメントをもとに分析結果をリクエストしたとこと、コメントのうちポジティブな点とネガティブな点をそれぞれ4つずつピックアップし、要因を整理した結果が出力された。また、それらをまとめた総合的な傾向のまとめも出力された。

<出力結果の参照URL>

https://chat.openai.com/share/00118963-d372-4574-8457-eb685a3e31f8

【ChatGPT 導入メリット】

属人性の排除

→データ分析における属人性を排除することにより、偏りの少ない正確なデータ抽出を実現。

業務効率化

→膨大なデータを短時間でサマリーすることができ、データ分析の業務効率化に大きく貢献。

分析結果にもとづいた提案

◯施設内の混雑について

  1. 入場チケットを完全電子化することによる券売待機列の解消
  2. 繁忙日の日時指定制の導入による入場制限
  3. 価格変動制の導入および入場後の有料サービスの追加

◯施設内の設備・展示・販売商品について

  1. トイレ設備の改修・改装
  2. 飲食スペースにおけるオペレーション改善
  3. 展示の改善
  4. 他施設とのセット券の販売

4.今後の展望・課題

本実証の結果から、当初の課題は解消できることが明らかになったため、以下の3点を進める。

  • 令和6年度予算を確保
  • 電子チケット入園システムの導入
  • 利用者データを活用した入園者増に繋がる施策の検討

5.実証事業者について

アソビュー株式会社

代表取締役 代表執行役員CEO 山野 智久

設立2011年3月11日

本社所在地 東京都品川区大崎1-11-12

https://www.asoview.co.jp

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