堀川に浮かぶごみをなくしたい!川ごみのメカニズム解明と対策の実証

緑政土木局河川計画課

要点

解決したい課題

「名古屋の母なる川 堀川」の再生に向けて、環境悪化の一因となっているごみをなくしたい!

実現したい未来

きれいな堀川の水辺空間で、市民の皆さんに散策を楽しんでいただいたり、イベントを開催していただいたり、かつてのにぎわいを創出する。

想定する実証検証

・カメラやGPSを使用したごみの集積メカニズム解明と対策の実証

・撮影した画像データなどをもとにした、発生源の特定

・川に浮かぶごみを回収する技術の実証

得られるもの

海洋ごみ対策の一環で、全国で河川ごみの対策が検討されており、他地域の河川への横展開ができる。

ストーリー

堀川に浮かぶごみをなくしたい!川ごみのメカニズム解明と対策の実証

市民に親しまれてきた堀川の歴史

 堀川は、1610年名古屋城の築城と時を同じくして、福島正則により開削されたと伝えられています。

 

(江戸時代の後期に桜や桃が植えられ、花見の名所となった日置橋周辺の様子)

 現在のように鉄道や自動車等の物流手段が発達していなかった江戸時代から昭和中期頃までは、堀川は木材、穀物、海産物、諸雑貨などを運ぶ物流の大動脈として、市民の生活やまちの発展を支えてきました。また、魚介類を採ったり、泳いだり、花見の名所として多くの人々に親しまれる憩いの場でもありました。

 一方で、名古屋が産業都市への成長を続けていた大正時代終わり頃から、堀川の水質汚濁やごみの不法投棄が見られるようになり、物流手段も水上交通から陸上交通に移行したことから、人々は堀川の水辺から遠ざかっていきました。

 本市では、1986年に「堀川の大改修」を市政百周年事業に位置付け、以降、堀川がかつてのにぎわいを取り戻すように、治水、浄化、にぎわい創出の取り組みを進めています。現在は、護岸の整備と河道掘削に合わせたヘドロの除去を順次進めるとともに、水辺環境や水質の改善に努めています。

 

(堀川の全体像)

なぜ堀川は汚れるのか – 川?運河?海?-

 昭和40年代に汚濁のピークを迎えて以降は、下水道の整備が進んだことや、工場からの排水が規制されたことから、堀川の状況は大きく改善しました。しかし、堀川には以下のような特徴があり、依然として「川の汚れ」が問題となっています。

 ・自己水源がない人工河川である

 ・8割以上(延長16.2km中13.6km)が潮の干満の影響を受ける感潮河川である

 ・全域が合流式下水道区域であり、雨が一定量を超えると、雨水と混ざった未処理の生活排水が直接河川へ放流される

 これらの結果として、「水が滞留しやすくヘドロがたまりやすい」「一度川に入ったごみがいつまでも浮いている」といった状況が生じ、水の汚れや悪臭などの水環境の悪化を引き起こしています。また、堀川の汚れがごみの不法投棄などの一因となり、ごみがごみを呼ぶという状況に陥ってしまっています。

 

(堀川のゴミの様子)

市民と一緒に取り組んできた浄化活動

 堀川の浄化に向けて、これまで様々な取り組みを進めてきました。水源の確保のために、庄内川からの導水や地下水の活用を行ったり、河川整備と合わせて川底にたまったヘドロの浚渫を進めたりしています。また、下水道の対策としては、合流式下水道の改善などを進めています。河川ごみの対策としては、下水道施設を活用してごみを回収する、通称「ごみキャッチャー」の運用なども行ってきました。その結果、においや水の汚れについては一定の改善が見られます。

 行政だけでなく、民産学官の連携でも様々な取り組みを進めています。2007年から地域の住民などが中心となって「堀川1000人調査隊2010」を結成して、市民目線での堀川の水質調査にも取り組んでいただいており、これまでに8,000件を超える調査結果が蓄積され、非常に大きな財産となっています。

 

(市民団体による水質調査)

 清掃活動についても、2000年から「クリーン堀川」を結成して堀川一斉大そうじを開催しており、これまで述べ13,000人以上の方に参加いただき、7,000袋を超えるごみを回収していただいています。

 その他、清港会が船からの清掃活動を実施していただいたり、市民団体のみなさんに定期的に清掃活動を実施していただいたり、近年ではジョギング×ゴミ拾いの「プロギング」を堀川の沿川で実施していただいたりしています。

 

(市民団体による堀川一斉大そうじ)

一定の改善が見られるも、7割が「水が汚い」と回答

 しかし、2018年に実施した堀川に関する市民ネットモニターアンケートの結果、約7割の方が「水が汚い」というイメージを堀川に対して抱いていることが分かりました。堀川がかつてのにぎわいを取り戻すには、浄化の取り組みはまだまだ十分ではないことが明らかとなりました。

 昨年度には、「堀川1000人調査隊2010」の報告会において、ごみに関する報告が多くあり、堀川及び海洋の環境悪化に対する懸念がクローズアップされました。

 市民のみなさんから、ごみのポイ捨て防止のための条例制定や看板設置、ごみキャッチャーの運用改善、ヨシなどにたまったごみの回収や適正管理など様々な提案をいただいています。

 堀川を愛する市民の想いを大切にし、一緒に川を浄化させたい。それが私達のやりたいことです。

堀川の再生に向けて力を貸してください!

 そこで堀川の環境が今以上に改善するよう、さらなる対策を進めたいと考えていますが、これ以上の対策は何ができるのか正直打ち手に悩んでいるのが現状で、今回の実証事業に手を上げました。

 堀川のごみを減らしたい。そのために、メカニズムの解明とごみ自体の回収の効率化が必要と考えています。実証としては例えば、

・川に浮かぶごみの集積メカニズムの解明や、発生源を特定することで、有効な対策を実施したい。

・カメラやGPSを使用したごみの集積メカニズムの解明。

・カメラ画像などをもとに発生源を特定。

・川に浮かぶごみを回収する技術の実証。

・可視化したごみの集積メカニズムや発生源に対応した対策の実施(ごみキャッチャーの効果的な運用方法の提案など)。

などを想定していますが、上記に限らずぜひご提案ください。

 堀川に対する「汚い」というイメージを払拭し、名古屋の発展を支えてきた堀川が、さらに市民から愛される川となることを目指しています。是非、私達に力を貸してください。本プロジェクトへのご提案をお待ちしています。

 

募集要項

背景 堀川は、1610年名古屋城の築城と時を同じくして開削され、市民の生活やまちの発展を支えるとともに、人々に親しまれる憩いの場でした。しかし、水質汚濁やごみの不法投棄、物流が水上から陸上輸送に移行したことなどから、人々は堀川の水辺から遠ざかっていきました。
本市では、1986年の市政百周年事業に「堀川の大改修」を位置付け、治水、浄化、にぎわい創出の取り組みを進めてきました。また、堀川再生を目指す市民運動も活発となり、様々な活動が展開されています。
地域住民や定期的な清掃、市民目線の水質調査などを実施している方々から、堀川の浄化が進んでいる一方で、多くの河川に浮くごみについて多くの報告があり、昨今のマイクロプラスチックによる海洋汚染にもつながることから、河川ごみを減らしたいと思っています。
課題(詳細) 堀川は水源がなく、全長16.2kmのうち約13.6kmが潮の干満の影響を受ける感潮河川であることから、水が滞留しやすく、一度ごみが入ってしまうと浮遊し続けるという特徴があります。ごみは景観を悪くするだけでなく、河川環境の悪化、さらには海洋汚染にもつながることから、河川に浮遊するごみを減らすための対策を進める必要があります。
求める解決策 川に浮かぶごみの集積メカニズムの解明や、発生源を特定することで、有効な対策を実施したい。
  • カメラやGPSを使用したごみの集積メカニズムの解明
  • カメラ画像などをもとに発生源を特定
  • 川に浮かぶごみを回収する技術の実証
  • 可視化したごみの集積メカニズムや発生源に対応した対策の実施
    (ごみキャッチャーの効果的な運用方法の提案など)
発展的な要素 海洋ごみ対策の一環で、全国で河川ごみの対策が検討されており、他河川、他自治体での展開が期待できる。
想定する実証実験内容
  • 堀川の特に上流城北橋〜猿投橋の付近を重点に実施。
  • 実証の中で、目視できるごみが減るかどうか、あるいは、市職員や市民団体の方への情報提供など間接的な形でごみ削減に繋がるかの検証を行いたい。
スタートアップに求める専門性 センサー、ユーザー投稿等から得たデータを活用した分析、可視化のノウハウ。
プロジェクトの進め方打合せ方法 対面、オンラインどちらでも対応は可能。※現地は訪問していただきたいです。
提供可能なデータ・環境等
  • 堀川の水位データ
  • 堀川1000人調査隊2010(市民団体)の調査結果
  • ごみの回収実績(ごみキャッチャー、船からの回収)
プログラム終了後の本格導入 有効性が確認できた場合は、本格導入を検討いたします。