刻一刻と変化する啓発対象者(ターゲット)へ適切に啓発する手段・手法

要点

解決したい課題

感染防止対策に係る啓発は、市民にとって分かりやすい内容で啓発することが重要となってくるが、デジタル情報が伝わりにくい高齢者やコロナ禍に慣れてきた若者など、感染状況に応じて、刻一刻と変化する啓発対象者(ターゲット)に対し、効果的な啓発手段・手法の検討が必要である。

想定する実証検証

・AI・ビックデータ等を活用して、刻一刻と変化する啓発対象者(ターゲット)に対して最も効果的な啓発手段・手法を提案する実証
・上記内容をAIにディープラーニングし、本市から啓発したい啓発対象者(ターゲット)への効果的な啓発手段・手法を提案するシステムの導入の実証

実現したい未来

新型コロナウイルス感染症を収束させ、不安を抱えず、安心・安全に暮らすことができる生活を取り戻すこと。

得られる物

・社会的関心の高い新型コロナウイルス感染症に関する広報PR
・メディアでの露出や広報面での協力
・成果物を他自治体への横展開が可能


ストーリー

刻一刻と変化する啓発対象者(ターゲット)へ適切に啓発する手段・手法

ICTを駆使した啓発で、新型コロナに打ち勝つ!!

「コロナが収束し、少しでも早く元通りの生活をとり戻したい!」と多くの人が考えているのではないでしょうか。2020年1月に国内発の新型コロナウイルス感染症患者が確認されてから1年半以上が経過し、コロナに対する人々の認識も少しずつ変化してきております。

コロナウイルスは人から人へ感染します。1人でも感染防止対策をしていない人がウイルスをまき散らす行動をとってしまうと、瞬く間に多くの人へ感染するリスクがあります。全ての人の協力があって、この見えない敵に打ち勝つことができるのです。

本市における新型コロナウイルス感染症の状況は、本年4月以降に徐々に新規感染者が増え続け、5月には爆発的な拡大期、いわゆる第4波を迎え、1日あたり最多の新規陽性者数となるなどこれまで以上の猛威を振るい、5月12日には本市を含む愛知県下全域に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発出されるに至りました。

<名古屋市の陽性患者発生件数の推移>

デジタル情報が伝わりにくい高齢者

インターネットの使い方がよくわからない高齢者がコロナワクチンのネット予約に苦労したというニュースは記憶に新しく、総務省の調査によると65歳以上のインターネット利用率は72.4%であり、80歳以上となると57.5%まで利用率は下がります。(出展:令和2年5月29日発表「総務省:令和元年通信利用動向調査報道資料」)高齢者にとっての情報源はまだまだ新聞(広報誌含む)やTVの割合が大きいです。本市では毎月広報誌(広報なごや)を全戸配布しているが、原稿を作成するのは発行の一月以上前であり、即時性に欠けるデメリットがあります。TVでの啓発を実施することもありますが、これも収録や原稿の作成はかなり前からになります。このような広報媒体に対し、SNS等を活用したインターネットを用いての広報は即時に利用者に情報を届けることができますが、デジタル情報が伝わりにくい高齢者に対して、どの様にデジタル媒体で情報を届けるかが課題です。

長引く自粛生活になれてしまった若者

下の表は名古屋市における性別・年齢別のコロナ感染症発生状況です。やはり20代・30代の若者の割合が高く、全体の40%以上となっています。これは若者の行動範囲が広いこともありますが、いわゆる「コロナ慣れ」による危機意識の低下もあるのではないかとも考えられる。コロナ禍といわれはじめてから1年以上が経過し、若者の中には「いつまで自粛していればいいのか」「コロナに感染しても若者は重症化しないから対策しなくてもいいのではないか」といった声も聞こえるようになってきています。

<名古屋市の性別・年齢別発生状況>

本市における現在の啓発媒体

本市ウェブサイト、特設サイト、SNS(Twitter、Facebook、ピアッザ)、Yahoo!防災速報、LINE、位置情報を活用したWeb広告、登録制メール(きずなネット)、小売店での館内放送、地下鉄駅ホームの駅旅客案内表示装置、地下鉄金山駅構内デジタルサイネージ、金山総合駅NAISビジョン、久屋大通公園デジタルサイネージ、セントラルビジョン、栄モリチカビジョン、オアシス21あいビジョン、広報車による巡回、防災スピーカー

※期間限定のものも含む

名古屋駅西口

解決するためのICTを活用した情報発信

上記のように、「デジタル情報が伝わりにくい高齢者」と「長引く自粛生活に慣れてしまった若者」に対する啓発が今後の主な課題となってきます。このように相反し、刻一刻と変化していく対象者(ターゲット)に向けた、適時適切な啓発手段・手法について一緒に検討していきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症は世界中の人々を巻き込んでいる大災害と言えます。このような大災害だからこそ全ての人が協力し、自分のできることをやる、また、自分の得意なことで社会に貢献するチャンスだと考えております。


募集要項

背景
新型コロナウイルス感染症の拡大に収束が見えない中、新型コロナウイルス感染症に関する情報が世間に溢れており、感染防止対策はどの様に実施すべきかと悩みを抱える市民がいる一方、コロナ禍から1年以上が経過し、「コロナ慣れ」してしまった市民に対して感染防止対策への意識の低下を防いでいく必要がある。
課題
市民・事業者の情報入手手段は多岐にわたり、SNS・ウェブサイト等のデジタル媒体やポスター・チラシなどのアナログ媒体など様々あるが、コロナ禍により人と人との接触機会の低減が求められる中、デジタル情報が伝わりにくい高齢者にどの様に啓発していくのか、マスク着用等の基本的な感染防止対策が日常に溶け込み、長引く自粛生活に慣れてしまった若者にどの様に再度の意識啓発をするかなど、感染状況に応じて、刻一刻と変化していく啓発対象者(ターゲット)に対し、最も効果的な啓発手段・手法の検討が随時必要である。
求める解決策
AI・ビックデータ等を活用して、どの様な啓発対象者(ターゲット)に対してどの様な啓発手段・手法が適切であるかを検討し、より多くの市民に効果的に新型コロナウイルス感染症対策に係る啓発を実施したい。
想定する実証実験内容
・AI・ビックデータ等を活用して、新型コロナウイルス感染症に関する調査を行い、危機意識の程度や市民の新型コロナウイルス感染症に対する関心度を測り、新規陽性患者を抑えるには、どの様な啓発対象者(ターゲット)に対し、どの様な啓発手段・手法が効果的であるかを提案する実証
・上記内容をAIにディープラーニングし、本市から啓発したい啓発対象者(ターゲット)への効果的な啓発手段・手法を提案するシステムの導入の実証
実証実験成功後の発展性
新型コロナウイルス感染症対策は全国の自治体で実施しているため、横展開しやすい。また、変化していく啓発対象者(ターゲット)への効果的な啓発方法について、マーケティング業界等の他事業への展開が期待できる。
提案企業に求める専門性
企画提案力、新型コロナウイルス感染症に関する事やコロナ禍となってからの社会情勢についての知識、web広告やスマホアプリなどのICT知識
プロジェクトの進め方・打ち合せ方法
打合せはオンラインでの対応可能です。
必要に応じて現場視察も対応可能です。
提供可能なデータ・環境等
・本市の新型コロナウイルス感染症にかかる感染動向や感染経路・行政区別の感染者数の月計情報
・ナゴヤコロナ対策ハートフルメッセンジャー(SKE48、グランパスくんファミリー)
・今までに活用した啓発素材
プログラム終了後の本格導入
解決策の有効性が確認できた場合、経常的な啓発方法としての予算化を検討したい。(コロナ禍が終息している場合、他事業への展開を検討)