2020年度事例紹介No.4

2020年度に課題提示型社会実証支援で立ち上がった
プロジェクトの紹介です。

写真に注釈をつけるアプリを用いて外国人住民の窓口体験を改善


実証実験企業

アノルド株式会社


プロジェクト概要

アノルド株式会社の開発する、撮影した写真に注釈をつけることができるアプリ「Annold(アノルド)」を用いて、外国人住民へ児童手当の申請書の記入をサポートする実証実験を1月から実施しています。

中区の外国人住民の割合は全市平均のおおよそ3倍となっており、様々な言語を母国語とする住民が居住しています。しかし、申請書の多くは日本語のみで記載されており、日本語のわからない住民の中には、何を記載し、どのような添付書類を提出すればいいのかわからないままに区役所を訪れる人もいます。

また、申請書の記入には職員が付き添い、1項目ずつ簡単な英語や日本語で指差ししながら記入の支援をしており、相当な時間がかかっています。このような状況は市民にも、そして職員にも、時間的、精神的に負荷がかかるものです。

そこで、今回の実証実験では、「Annold(アノルド)」を活用し、「既存の申請書類に外国語の解説を追加する」ことで、書類の説明を母国語で確認でき、制度の趣旨を理解した上で書類の記入ができることを目指しています。

さらに、職員の負担軽減に加えて、経験年数にかかわらずどの職員でも外国人住民に制度の趣旨を正確に伝えられるようになります。

運用の流れとしては以下のとおりです。

  1. 「Annold(アノルド)」で、職員が窓口対応の経験をもとに日本語で注釈などのコンテンツを作成。
  2. 翻訳の担当者が日本語で作成されたコンテンツを各言語に翻訳し、職員が「Annold(アノルド)」上に翻訳したデータを反映。
  3.  窓口に日本語のわからない外国人住民が来庁した時に、「Annold(アノルド)」がインストールされているタブレット端末の利用を案内。
  4. 日本語の申請書とタブレット端末を並べ、申請書の各項目をタブレット上でタップすることにより、外国人住民の母国語で書かれたコンテンツを参照しながら申請書を記入できる。
    ※今回の実証実験では英語・フィリピノ語・日本語のみ対応

「Annold(アノルド)」は直感的に操作することができるため、資料を作成する職員にとっても容易な操作方法で大変使いやすいものになっています。また、写真及び注釈の追加・変更を職員自身で行うことができるので、住民の要望や様式の変更が生じる度に柔軟に対応することができます。このように可能な限り作業を内製化することで、迅速な改善や幅広い説明資料の作成が実現できます。

実証実験は児童手当の申請からスタートし、現在は保育所の入所申込みなどにも対応して、利用できる書類を拡大しています。

今後、2月末までの実証実験を通して継続的にアプリを改善していく予定です。


2020年度最終報告会動画


実証実験のギャラリー


2020年度の実証実験事例