空き家の所有者をスムーズに!家系図等の自動作成ツールの開発

要点

解決したい課題

全国で増え続ける空き家の所有者調査のために、「家系図」を自動作成したい。

想定する実証検証

住民票や戸籍などさまざまなフォーマットの書類(手書き文字の場合もあり)を読み取り、家系図を作成する。

実現したい未来

さまざまな書類を読み込むだけで、自動的に家系図、各相続人の相続割合、現住所等の基本情報が一覧形式で確認できるようになること

得られる物

空き家など不動産の所有者調査は全国自治体の課題であり、業務負荷も大きい。関係機関や戸籍などを取り扱う士業に数多く導入できる可能性あり。


ストーリー

空き家の所有者をスムーズに!家系図等の自動作成ツールの開発

みなさんの家の近くに管理されていない空き家はありませんか?

平成30年住宅・土地統計調査において、全住宅に占める空き家の割合は約13.6%と過去最高を記録しました。少子高齢化の進行などによる人口減少や、住宅に関して言えば建築物の老朽化、社会的ニーズの変化等に伴い、今後も空き家が増加していくと見込まれます。


住宅・土地統計調査より

このような状況の中、放置された空き家は、ぼろぼろになって倒れたり、庭木が伸びて道路やお隣にはみ出したり。。。市民の生活にとって、保安上、景観上、衛生上の悪影響を与えています。
空き家が原因の被害を防ぐためには、空き家の所有者に、きちんと管理してもらうことが大切なのです。

空き家調査はこんなに大変!

空き家対策においては、様々な法律・権利が関係しており、空き家の増加に伴って自治体の負担も増加しています。特に、空き家の所有者が亡くなっている物件では、相続によって権利が複雑化し、権利者(相続人)の調査がとても大変になっている事例が数多くあります。
なにが大変かというと、一番は家系図を作らなければいけないこと。
相続人の全体像をつかむためには、家系図の作成が必須。にもかかわらず、戸籍は旧字体や手書きで書かれたものも多く、解読したうえで権利割合や相続人数の調査をしなければなりません。
転籍・婚姻・離婚の回数や、養子縁組の有無、子・兄弟の人数などにもよりますが、1つの物件で数十部の戸籍を解読しなければならないことも珍しくありません。
戸籍一部の解読に5~10分かかるとすると、どれほどの作業量になるかは想像に難くありません。

だからこそ、先進技術を!

例えば、AIによる戸籍の読解や家系図の作成がスピーディにできれば、所有者調査が容易となります。職員の作業が効率化されれば、空き家所有者の早期把握による空き家の解消や、不動産ストックの活用、流通などにより、地域活性化の一助となるとともに、行政サービスの向上にもつながります。
また、空き家問題に限らず、所管地域内の不動産の権利者の把握は、区画整理、用地買収、固定資産税の徴収など、国や地方に限らず、全国の自治体が抱えるあらゆる課題解決へも繋がります。
お互いのアイデアや活力、専門技術を合わせ、一緒にwin-winで実用的なシステムを構築していきましょう!何卒、お力添えのほどよろしくお願いいたします!


募集要項

背景
平成30年住宅・土地統計調査において、全住宅に占める空き家の割合は約13.6%と過去最高を記録。空き家への対策は全国的な課題となっている。特に相続登記がされていない物件では、権利が複雑化し、所有者の調査が困難となっていることが多い。
課題
所有者全体の把握をするために家系図を作ることが必須。しかし、改正原戸籍を解読したうえで権利割合や相続人数を調査するなど、作業がとても大変。
求める解決策
AIなどによる、データや紙(手書き文字の場合もあり)などさまざまなフォーマットの書類(戸籍など)の読解、または家系図の作成ができれば、所有者調査の負担が軽くなる。
付加的・発展的な要素
不動産の所有者調査については、当課のみでなく関係部署、ひいては全国の自治体や戸籍等を扱う士業においても必須業務であることから、実用的なシステムが開発されれば裾野は広い。
想定する実証実験内容
過去に当課で所有者調査済み(法定相続人調査、家系図作成済み)の物件の戸籍を用い、読解能力等の向上を目指す。
スタートアップに求める専門性
民法、戸籍法に関する専門性が必須。法改正により時期ごとの考え方が異なること、手書きの場合は記入者ごとに筆跡が異なることなどがハードルとなる。手書き文字の読み取り技術も必要。
プロジェクトの進め方・打ち合せ方法
個人情報保護の観点から、情報の取扱いに関する覚書を結ぶ。そのあと、実際の戸籍や家系図を見てもらうために直接来課していただく必要がある。打ち合わせ頻度は応相談。
提供可能なデータ・環境等
住宅・土地統計調査、本市の空き家等に関する対策の実施状況等について
プログラム終了後の本格導入
継続的にシステムを発注するための予算を、令和4年度以降の予算において、市に要望する可能性あり。

応募終了させていただきました